ドラマ「賭ケグルイ」が帰ってきた。河本ほむら原作の「賭ケグルイ」は超極限のギャンブルバトル。舞台は政財界に君臨する有力者の子女が多数通う私立百華王学園。だが、この学園で生き残るためにはギャンブルで勝つしかない。そこへ転校してきた蛇喰夢子(浜辺美波)は、穏やかな見た目からは想像もできないほどのギャンブル狂だった。そんな彼女が、賭け狂うリスクだらけのとんでもない学園ドラマである。シーズン1では演者たちのなりきりっぷりが大きな話題を呼んだ。そして今回の「賭ケグルイseason2」では乃木坂46の松村沙友理が演じる夢見弖ユメミが、夢子とアイドル対決を繰り広げることから始まる。そして今回、常に裏で暗躍を続けていた生徒会役員の豆生田楓が表舞台に立つ。演じるのは中川大志。予告編で「貴様の首をとり、俺が王になる!」と雄たけびを上げていた豆生田役の中川に直撃!

――豆生田楓はどんなキャラクターですか?

「生徒会の会計というポジションなんですけど、すごく野心家で。一番上まで上り詰めるために、周りの人間を動かしていくような人物ですね。だから自ら動くことは彼にとっての最終手段。それが今回、やっと自ら動き出しますからね。シーズン1で、ほかのキャラクターがギャンブルバトルをしている芝居がすごく楽しそうだなって感じていて。シーズン2では、ようやく楽しみにしていた芝居ができて、ストレスを発散できたかなって感じです(笑)」

――実際に夢子とのギャンブルバトルを演じてみて、いかがでしたか?

「疲れましたね(笑)。でも、この作品に出演している演者はみんな疲れたんじゃないかと思います。結構、カロリーが高いシーンばかりなので。特にギャンブルのシーンは日常では決して味わえない緊張感と高揚感が味わえますし。その分、エネルギーも使いますけど(笑)。撮影が終わった後は、みんなぐったりしていました。気持ちのいい疲労感ですね」

――豆生田を演じるとき、気を付けていたことはありますか?

「基本的に豆生田を演じるときは抑え込んだ芝居をするんです。感情を表に出さない『何を考えているんだろう?この人』って思われるように。だから、それが崩れる姿を演じるときが面白かったですね。彼の壊れていく姿は視聴者の方も絶対に楽しみにしていたと思いますので、僕も頑張りました」


――収録の合間や現場ではどなたと仲良くしてらっしゃいましたか?

「やっぱり浜辺美波ちゃんとのシーンが多かったので、よくしゃべっていました。でも、高杉真宙(鈴井涼太役)と一緒にいるときも多かったかな。真宙とは直接からむシーンは少なかったんですけど、何回もほかの作品で共演しているので」

――高杉真宙さんって、どんな人?

「カワイイやつですね(笑)。普段はテンションが読めないところがあって。本人はそんなにテンションが高いキャラじゃないと思うんですよ。それでも一生懸命、盛り上げようとしてくれて話に乗っかってくれたり、一緒にふざけてくれたり。“大丈夫?無理してない?”って思わず聞いちゃうときがあるくらい」

――シーズン2の撮影が始まったときは、やっぱり戻ってきた感はありましたか?

「ありましたね。制服着て、眼鏡をかけて、あの空間に入ると、『戻ってきたなぁ』って。でも、ギアを二段三段とあげて芝居をしないと、『賭ケグルイ』の世界観には追いつけないというか。それでも感覚を取り戻すのに、さほど時間はかかりませんでした」

――ちなみに「賭ケグルイ」のメンバーの中で好きなキャラクターは?

「生志摩妄ちゃんかな。英(勉)監督と豆生田の過去について話したとき、『もしかしたら豆生田は妄ちゃんのことが好きだったんじゃないか』って言っていて。だからギャンブルで壊れてしまった彼女のことを切なく思ってるんじゃないかと。“俺が妄を戻してやりたい”っていうシーンをシーズン1で出そうかって話も監督としましたから(笑)。妄ちゃんは豆生田に対してもガンガンくるので、そこで豆生田がちょっと崩れる瞬間があるんです。それが楽しくて、僕は妄ちゃんが一番のお気に入りキャラになりました」


――役者としてみると「賭ケグルイ」って、どんな作品だといえますか?

「これまで経験したことがない領域までいけた作品かなぁと思います。あの空間と緊張感、疲労感も含めて。あそこまでいろいろなものを詰め込んで爆発させる空間というのは、作品の世界観と豆生田というキャラクター、そしてバトルシーンがないと出来ませんからね。絶対に日常生活では味わえない作品です」

――これまで数多くの作品に出演された中川さんですが、一番印象に残っている作品というと?

「最近でいうと『坂道のアポロン』ですね。音楽を通して、ゾーンに入れた作品というか、芝居中もアドレナリンが出まくっていて。ドラムを叩いてる間、本当に周りが見えなくなってしまったというか…。たくさんの人がいる中、カメラもこちらを向いている環境で周りが見えなくなって、そのときのことを覚えてなかったっていうのは初めての体験でした。自分の限界の先までいけたような。今回の『賭ケグルイ』も似たような部分があったかなって思います。ぶっちゃけ、そこまでいくと気持ちがいいんですよ(笑)。普段、あのテンションになるなんて、まずないですから」

ヘアメイク/池上豪(NICOLASHKA)
スタイリスト/徳永貴士

■作品情報
ドラマ「賭ケグルイ season 2」
MBS/TBSドラマイズム枠にて放送中!


文・写真:今 泉