ふだんは小型スマホ、左右に引っ張ればミニタブレット。サムスンが「広げるディスプレイ」の特許を出願
Patently Apple

サムスンは開発者イベントSDC2018で折りたたみできるInfinity Flexや穴開きのInfinity-Oなど様々なスマホ用ディスプレイのデザインを公開しましたが、新たなディスプレイ関連の特許を申請していることが明らかとなりました。

特許に詳しい情報メディアPatently Appleによれば、サムスンはUSPTO(米国特許商標庁)に「小型タブレットを左右に引っ張ることで、広い画面となる」特許を出願しているとのこと。二つ折りの「フォルダブル」とは違った方向で、大きなディスプレイをコンパクトに持ち歩く手法が模索されているのかもしれません。本特許の図面1.Aでは、両横に太めのベゼルがあるスマートフォンを例示。この手のひらサイズの端末を左右に引っ張ると、まるで画面を引き伸ばすようにミニタブレットになるという仕組みです。

図面2では、この仕掛けを構成する部品が示されています。折り曲げ可能なディスプレイを巻き取るのではなく、スマホ状態ではメイン画面の下に収納されていた平面ディスプレイを、左右に引き出す形と思われます。

さらに図面6B、7B、9Bでは、小型のスマホからミニタブレットに変形させるに際して、背面を支える締結部品やヒンジ部分の構成が描かれています。


これらのパーツは、左右ベゼルのロックを解除するボタンが押されるまでは所定の位置に固定されたまま。ユーザーは左右のベゼルを同時に引っ張ることで、ディスプレイを拡張できるわけです。

サムスンは本特許を2018年1月1日にUSPTOに出願したとのこと。記事執筆時点では、同社がこうしたデバイスを製品化した例は見つかっていません。

サムスンにとって、OLEDパネルを中心としたディスプレイ事業は中核の1つ。先日も中国の競合企業に最新OLED技術が流出したとして、9人が逮捕される大事件へと発展していました。

特許が必ずしも具体的な製品に繋がるとは限りませんが、折りたたみや穴開きディスプレイ、さらには米国防総省の過酷な耐久テストをクリアしたという「破壊不能ディスプレイ」まで、あらゆる可能性を試す姿勢こそ世界的なトップ企業の持つ競争力の源かもしれません。