11日の練習ではフランス在住の日本人と触れ合う機会も。満面の笑みで子どもたちとの記念撮影に応じた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 ニュージーランド、ハイチと戦った10月シリーズに続いて、欧州遠征のブラジル戦でもスタメンを飾った槙野智章。ポジションはいずれもCBで、ブラジル戦ではCKから1ゴールを決めるなど、レギュラー定着に向けて着実な歩みを見せている。
 
「SBをやる機会もありましたけど、今年に限っては真ん中でプレーする試合が増えている。スタッフ陣から良いフィードバックをもらって、僕にできること、僕に求められていることをしっかりと一から整理して、自分の中で試合に入るようにはしています。CBとしてのプレーの幅の広がりは感じています」
 
 タレント揃いのセレソンと対峙して、再確認できたことがある。
 
「やっぱり、ひとりでは守れない。ブラジル戦に限っても、吉田(麻也)選手、長友(佑都)選手、彼らのコーチングや状況判断の声が僕を動かしてくれていた。僕らは、まとまってこそのチーム。ひとりが輝くよりも、みんながまとまって、同じ絵を描きながらじゃないと、良い結果は出せないと思う。苦しい時でもみんなで耐えて、撥ね返すメンタルも備えていかないといけない」
 
 大事なのは、組織で守ること。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が強く要求するコミュニケーションをさらに深めて、強固な守備を構築していく。
 
 そのなかで、槙野自身は以前にも増して責任感が強まっているようだ。
 
「ディフェンスリーダーとして、吉田選手が今まで引っ張ってきて、頼りっぱなしの部分もあったけど、自分も全体をオーガナイズする、鼓舞する、ラインの上げ下げなど、自分にできることをしっかりやるつもりではいる」
 
 今回の欧州遠征を締めくくる14日のベルギー戦では、意地を見せられるか。
 
「ブラジルと比べると、(ベルギーは)前の選手の質の高さや、機動力はかなりあると思っている。しっかりと修正して試合に臨みたい」
 
 アウェーでのACL決勝第1戦をすぐ後に控えるが、今は代表に集中して、ワールドカップのために全力を尽くすだけだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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