トヨタ・カムリは、1980年にセリカ・カムリ2000GT(トヨタは0代目と数えている)という車名で、3BOX派生車として登場しました。

米国において15年連続セダン・ナンバー1、100カ国以上で販売されているカムリ。セダン離れのいま、クルマ好きに積極的に選んでもらえるかという危機感のもと、「前例のない変革」を掲げ、「スタイル」と「意のままの走り」という2大テーマを具現化させています。

デザインは、初期のデザイン(スケッチ)がそのまま市販車になったかのような「トヨタとしては珍しいクルマ」と、開発主査の勝又正人氏が胸を張ります。これを実現したのは「フルTNGA」によるものだそう。

流麗なセダンスタイルを実現しようとすると、後席の頭上空間などにしわ寄せが出てきますが、新型カムリでは前後シートともにミドルサイズセダンにふさわしい空間を確保。

171cmの私が実際に座ってみると、後席は足元が驚くほど広く、頭上も閉塞感を抱かせません。

前席はインパネを下げることで、前方視界が確保されています。そのため、エアコンなどエンジンコンパートメント内の大物パーツも含めて小型化するなど、多彩な技術が採用されています。

さらに、メーター、ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイを連動させるインターフェースを採用し、運転や視認性、操作のしやすさを追求。

セダンの利点であるボディ剛性を活かし、ボディとステアリングの剛性を向上。新世代「ダイナミックフォースエンジン」は燃焼設計を新たにし、ハイブリッドの「THS2」は最新世代の第4世代を謳っています。これによりエンジンの熱効率41%、燃費33.4km/Lを達成。

もちろん、「Toyota Safety Sense P」といった最新安全装備も用意し、スタイリングから走りはもちろん、安全までトヨタが誇る最新思想や設計、技術が盛り込まれています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

驚きの新機軸を「フルTNGA」で実現した新型トヨタ・カムリの狙いとは?(http://clicccar.com/2017/07/21/493482/)