学生の窓口編集部

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海に囲まれた日本は、海の平和を守る存在が必要不可欠。海の平和を守る存在としては、例えば海上自衛隊が挙げられますが、もう一つ、日本の海を守る存在がいます。それが「海上保安官」です。海上保安官は、海上交通の安全維持、遭難した人の救助、また不審船の取り締まりなど、海上の警備が主な仕事。今回は、海の守護神である海上保安官になるにはどうすればいいかについてまとめてみました。

■海上保安官になるには海上保安大学校か保安学校に行こう!

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海上保安官になりたい場合、海上保安大学校に入るルートと、海上保安学校に入るルートが一般的です。
海上保安大学校か保安学校に入る以外では、
・有資格者採用試験
・国家公務員採用総合職試験
・国家公務員採用一般職試験

の3つがあります。有資格者採用試験は、船舶や航空機、無線通信といった専門的な資格を有している人が対象の採用試験。こうした資格を有している場合に多肢選択式試験を受けることができ、合格することで海上保安庁に採用されます。

国家公務員採用総合職試験と国家公務員採用一般職試験は、それぞれの国家公務員試験に合格した人からの採用を行うもの。双方ともに「技術系」の分野での採用となっており、採用区分は年度ごとに異なります。

■海上保安大学校・保安学校ってどんなところ?

海上保安大学校・保安学校への入学が、海上保安官になる場合の一般的なルートですが、ここでは2つの学校について解説します。

まずは海上保安大学校ですが、こちらは海上保安官になるための大学です。広島県呉市にあり、海上保安庁の幹部となるために必要な高度な知識と技能を、4年間にわたり学びます。

一方の海上保安学校は、京都府舞鶴市にある学校。「船舶運航システム」「航空」「海洋科学」「情報システム」の4つの課程に分かれており、情報システムは2年、それ以外は1年間の教育を受けることになります。

海上保安大学校は幹部育成、海上保安学校は特定の分野のエキスパートを育てる学校と考えるとわかりやすいかもしれません。

海上保安大学校・保安学校それぞれの受験資格は、

●海上保安大学校
高校または中学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していないこと、もしくは高校、または中学を卒業する見込みであること

●海上保安学校
高校または中学校を卒業した日の翌日から起算して5年(船舶運航システムのみ6年の特別試験資格あり)を経過していないこと、もしくは高校、または中学を卒業する見込みであること

となっています。それぞれ年齢制限があるため、誰でも受験できるというものではありません。

■海上保安官の給与は?

海上保安官は国家公務員ですので、お給料は「一般職の職員の給与に関する法律」の中の「公安職俸給表(二)」で定められています。

給与は階級と号棒(年数や経験によって変わる)によって決まり、最低が1級1号棒で「15万1,500円」、最高が10級21号棒で「57万2,900円」となっています。これに諸手当を加えたものが毎月支給され、それに加え、年2回期末・勤勉手当も支給されます。他にも、海上保安大学校生も、在学中に約14万円の給与と、期末・勤勉手当が支給されます。学校で勉強しながら、お給料ももらえると考えると、かなり魅力的ですよね。

海上保安官になるにはどうすればいいのか解説しました。日本の海の平和を守る海上保安官について、どうしたらなれるか、また給与についてご紹介しました。四方が海の日本は、海上のトラブルが尽きることはありませんから、その需要がなくなることはまずありません。もちろん危険が付きまとう仕事ではありますが、「安定した職」として魅力ではないでしょうか。

⇒人事院「一般職の職員の給与に関する法律 俸給表」
http://www.jinji.go.jp/kankoku/h22/pdf/22houkyuhyou.pdf

(中田ボンベ@dcp)