“いつも眠い、だるい”をスッキリ解消! 医師に聞いた「環境・食生活での改善法」

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夜、たっぷり寝ているのに、なんだかいつも眠くてだるい。病気ではないけど元気が出ない。

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そんな、原因不明の眠さ・だるさに悩まされていませんか?

集中したいのにできない、気分もモヤモヤ……そんな状況からなんとか抜け出したいですよね。

『最近疲れが抜けない。それ「眠いだるい病」かもしれません』の著者である、内科・神経内科・心療内科・東洋医学専門医の渡辺徹也医師に、対策法を伺いました。

原因不明の眠さ・だるさはアレルギー体質の影響が疑われる

――朝起きてだるいという人がスッキリ起きられるようにするには、どうしたらよいでしょうか。

渡辺徹也先生(以下、渡辺)「実は、朝起きてというより、前日が大事なんです。寝ているとき、横になった姿勢でふとんやシーツからダニやハウスダストを吸い込んでしまい、それでだるくなることが多いのです。

寝る前にすでに準備は始まっていて、ふとんを乾燥させる、シーツを洗う、ふとん専用の掃除機をかける、といった方法でダニを除去しておくと、ある程度ダニの影響による朝方の眠気やだるさはとれるかもしれません。

もちろん、朝起きてだるいのは、睡眠時無呼吸症候群など病名のついた病気の影響も考えられるのですが、そういった病気とは特徴が異なります。

なぜこんなに、朝眠くてだるいのだろうと血液検査をしたら、ダニやハウスダストなどのアレルゲンに高いアレルギー反応を示す人がいるんですね。寝ているとき、副交感神経が優位になると、アレルギー反応の影響を受けやすくなるのです。

気持ちよく寝て起きるためには、ふとんの乾燥とシーツの洗濯(最低2週間に1回)、パジャマを洗うなどの予防をすることが、まず大事です」

空気の悪い場所ではマスクを。こまめな掃除で環境を改善

――昼間の眠さ・だるさの対処法を教えてください。

渡辺「多くの場合、人ごみなど空気の悪いところや、劇場、映画館などの密室で酸欠状態のようになると、眠い・だるいといった症状が出やすくなります。でも、建物から出て外の空気を吸うと、すっかり治ってしまうのではないかと思います。

エアコンのフィルターが汚れていたり、カーペットを敷いてある部屋などでも症状は出やすい。室内の温度調整や換気、掃除は非常に重要です。

満員電車や会議室など、どうしても避けられない場所では、マスクをして対処するとよいでしょう。外に出れば元気になるので病気ではないのですが、普段からアレルギー対策をしておくことが大切になります。

症状が一番悪化してつらくなるのは、6月〜7月かと思います。梅雨時で高温多湿になり、カビが飛びますので。

実はカビの胞子ってすごい悪さをするんです。カビの胞子はダニの大好物で、それをダニが食べて繁殖してしまう。ダニが繁殖する季節は、症状が悪化しやすいですね」

からだにいい油を使う。食品添加物はできるだけ少なく

――食生活などで気をつけたいことは何でしょうか。

渡辺「マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸やリノール酸(植物系の油に多い)は、アレルギー反応を起こしやすいです。

アレルギー反応が起きると、アレルギーの物質(ヒスタミンなど)が出ます。すると、毛細血管が充血して血液の流れが悪くなり、血液が(心臓に)帰ってこない。そうなると新鮮な酸素を脳に補給することができなくなり、眠気やだるさを誘発してしまうのです。

アレルギーというと、花粉やダニやほこりが原因と思われるかもしれませんが、食品添加物など、食べ物でも十分アレルギー反応が起きるとみています。

リノレン酸の多い油(サバやイワシなどの魚、アマニ・エゴマ油、ナッツ類などの油)やオレイン酸の多い油(オリーブオイル等)など、からだにいい油を使う。そして、食品添加物の少ない食事をとりたいですね。

また、よい漢方薬もありますので、そういった薬で体質改善するのもいいかもしれません。

ただ、あまり真剣になりすぎるのもよくありません。花粉症も神経質になると、ちょっとしたことで症状が出たりしますので」

眠い・だるいといった症状の場合、慢性疲労症候群、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、シックハウス症候群などの病気も考えられるそうなので、気になる方は医療機関の受診をおすすめします。

また、『最近疲れが抜けない。それ、眠いだるい病かもしれません』には、それらの病気との見分け方や症状の改善法が詳しく紹介されています。ぜひ参考にされてはいかがでしょうか。