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 フリーアナウンサーで、歌舞伎俳優・市川海老蔵(39)の妻・小林麻央さん(34)が乳がんで亡くなった。病気を公表し、ブログで闘病記や日々の日常を綴る姿は、多くの人の注目を集め、海老蔵ブログとともに人気のブログとなった。

「海老蔵のブログは、一説には莫大な成田屋の借金を返すためにはじめたとも言われていました。しかし、麻央さんの場合は純粋に闘病記、生きた証を残したいという想いで始めたようです。本人もブログでもコメントに勇気づけられたと語っています」(芸能記者)

 家庭のことはすべて自分で手がけるのが母親、という理想像を持っていた麻央さんにとって、闘病で何もできなくなるのはつらかったに違いない。BBCのインタビューでは、そんな自分を家族が同じように愛してくれたことに感動したと語っている。英国国営放送の取材を受けたのも闘病中の芸能人としては異例のことだった。

■海老蔵を支え、支えられて豊かな人生に

 彼女を支えていたのは、市川海老蔵への愛だったという。

「海老蔵は、2010年に暴行事件の被害者になっています。当時の海老蔵は、『一体どういう育ち方をしたんだ』というほど酒の席での態度が悪かっため、自業自得という意見も多かった。しかし、そんな問題児を心底愛し、事件のときも支えていたのが小林麻央さんです。最後の言葉も『愛してる』で、最高に素晴らしい夫婦だったことがわかります。子供ではなく夫に言ったところがますます麻央さんらしいと語り継がれるでしょう」(前出・記者)

 病気を患ってから『夢を叶え、愛する人に出会い、2人の宝物を授かり、豊かな人生』と語るほど「愛の人」だった麻央さん。楽しみにしていた長男・勸玄くん(4)が出演する夏の舞台を前にした逝去に、日本中が悲しみに暮れている。多くのガン患者を勇気づけただけでなく、多くの人が、人生、家族、そして運命とは何かを一度は考えさせられたのはないだろうか。そんな、大きな足跡を残した女性である麻央さんの、ご冥福をお祈りします。

文・安藤美琴(あんどう・みこと)※1974年東京都出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ガールズジャーナル』(セブン&アイ出版)、『パチンコ攻略の帝王』などに寄稿。現在は女性向け読み物系の記者・編集者として活躍中。