今季限りでフウガドールすみだ退団が決まっている西谷「このチームで何かを残したいという力が少なからず働いた」《第22回全日本フットサル選手権》

写真拡大

▽20日に東京の国立代々木競技場第一体育館で、第22回全日本フットサル選手権決勝戦のフウガドールすみだ(Fリーグ/東京都)vsシュライカー大阪(Fリーグ/大阪府)が行われ、7-2で勝利した大阪が5大会ぶり3度目の優勝を果たしている。

▽今シーズン限りですみだを退団することが決まっている日本代表FP西谷良介が、試合後の囲み取材で試合を振り返っている。

◆FP西谷良介(フウガドールすみだ)

――チームを勢いに乗せる先制ゴールだったが

「自分のところで最初はアイソレーション(一対一)をしようかなと思っていましたが、テンポライズして攻撃を作り直そうとしました。そこにミヤ(FP宮崎暁)が見えて、そこでも一対一ができる状況だと思ったのでボールを送りました。ミヤはゴール前で誰かが合わせられそうな状況だと感じていたようですが、僕の中では彼との信頼関係でボールが出てくるなと思い、マークを振り切って逆サイドに入りました。良い形で先制できてよかったです」

――破壊的な攻撃力を持った大阪に2点を先行したときのチームの雰囲気は

「いけるという雰囲気や個人的な手ごたえがありましたが、何が起こるかわからない、こんなものでは終わらないということも感じていました。冷静でいましたし、チームとしては前半をゴールレスや0-1のビハインドで終える設定もできていました。慌てることなく、冷静にプレーできていたと思います」

――2点リードから逆転を許して前半を終えたダメージはあったか

「設定して臨んでいたので動揺はありませんでした。また取られ方も、自分たちがファウルを重ねてからの(第2PKでの)失点でした。ただ、相手のストロングポイントは消せていたので、ネガティブではなかったです。逆に相手が嫌がることをできているとポジティブな雰囲気で後半に臨めました」

――その雰囲気があった中で、後半最初に相手へ点が転がったのが痛かったのでは

「あそこで、自分たちに火を付けたかったです。5ファウルもリセットされて、僕たちが前掛かりになったところでの失点でしたので、ダメージもありました」

――今シーズン、名古屋からリーグタイトルを奪った大阪と対戦してみて

「相手のストロングポイントを理解して臨んだ今日の試合でした。また、自分たちの何が通用するのか、そこで前半に2点を奪えたことは、リーグ戦の試合で大阪と戦って成長できたところだと思います。しかし、個人の部分。チアゴ選手とのマッチアップ、アルトゥール選手とのマッチアップ、もっと厳しく激しく、相手をイラつかせるようなプレーができなければいけません。もっと一人一人が強くならなければ、あれだけの選手には勝てません。海外を見ても彼らのような選手はたくさんいます。出し切った感覚はありますが、自分を含めてもう1つレベルを上げなければいけないなと痛感しました」

――自身はこの試合を最後にすみだを退団する中、大会中は気迫のこもったプレーを見せていたが

「このチームで何かを残したいという力が、少なからず働いたと思います。リーグでは良い時と悪い時の波があった中で、チームとして乗り越えてきました。それを形にしたかったです。このメンバーで最後はやりきりたく思っていて、自分自身はすっきりとした気持ちで大会に臨めました。もう一度、自分の存在感、自分が勝負を決めるところを強く出せた大会でした。結果が残らなかったことで、自分の力のなさを感じます。もう1つ出さないといけないという危機感を持って、そういう課題が見つかった大会でもありました」