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●ビルド15046はデザインの見直しや準備機能の本格運用が特徴的
2017年2月28日(米国日時)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド15046を、ファーストリングを選択したPC向けにリリースした。モバイル版のリリースは見送られている。本ビルドではWindows 10 Creators Updateに向けて行ってきた実験を終え、アイコンデザインや配色などに再び手を加えた。

○ビルド15046はデザインの見直しや準備機能の本格運用が特徴的

Windows 10 Insider Preview ビルド15042は、Bug Bashの関係でリリースまで2週間を要したが、Microsoftはわずか4日間でビルド15046のリリースに至った。後述する変更箇所を見ても、バグフィックスや最終調整に入った感はあるものの、既知の問題はいまだ多く、筆者の環境では「ペイント3D」が正しく起動しないという問題も確認している。詳しく検証していないが、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)パッケージの破損であり、Windows 10 Creators Updateリリース時の新規インストールで回避できそうだが、まだまだバグは各所に潜んでいそうだ。

さて、ビルド15046では、Cortanaのホームカラーを以前の状態に戻している。といってもWindows 10 バージョン1607のそれではなく、以前のWindows 10 Insider Preview(ビルド番号は不明)に戻している。これらの配色をレジストリからチューニングする方法を他の記事で紹介しているが、基本的には透過度もしくは濃度を調整するに留まり、好みの色を指定することはできない。トータルデザインも重要ながらも、この辺りは「設定」で調整する仕組みを加えた方がスマートではないだろうか。

「Windows Defender」から「Windows Defenderセキュリティセンター」に変わったのも本ビルドが備える特徴の1つ。通知領域に常駐していたアイコンをダブルクリックすると、ビルド15042までは前者が起動していたが、ビルド15046では後者が起動する。また、「設定」の<更新とセキュリティ/Windows Defender>から起動するツールも置き換わり、それに伴ってWindows Defenderに関連する設定項目も整理された。

我々日本語圏のユーザーには関係ないが、Cortanaの新機能としてMicrosoft Edgeで閲覧中のWebサイトを離れた環境でピックアップできるようアプローチする機能が加わった。英語圏のみ対象となるため動作を確認していないが、Microsoftの説明によればアクションセンター経由で通知を行うという。また、我々非英語圏ユーザーとして興味深いのは、本ビルドで翻訳の改善が多岐にわたって加わっている点だ。同社は不十分な箇所がある場合は、「フィードバックHub」経由で知らせてほしいと述べている。

なお、ゲームアイコンのデザイン変更や、デスクトップアプリのインストールを制御する設定項目については、ビルド15042で加わった機能のため割愛する。後者に関しては次週月曜掲載予定のレポート記事で述べているので、気になる方はご覧頂きたい。

●OSビルド15046の改善点・既知の問題
○OSビルド15046の改善点・既知の問題

さて、ここからはPC版の修正内容と確認済みの問題を紹介する。まずは修正箇所から。

・一部のPCでレジストリキーが破損し、最近のビルドに更新できなかった問題を解決した。
・Microsoft Edgeが原因でタスクバーの応答が停止し、タスクマネージャーなどからExplorer.exeを再起動しなければならない問題を修正した。
・Surface Pro 4及びSurface Bookの一部でカメラを有効にできず、Windows Helloによる顔認証が動作しない問題を修正した。
・新ビルドへ更新した際、ウェルカム画面のメッセージを「Might take several minutes or so」から「Might take several minutes」に変更した。Microsoftは漠然としすぎたと変更理由を説明している。
・Cortana(検索ボックス)の背景色を黒色系に変更した。
・特定のDPIレベルでタブレットモードを使用する際、スタートメニューのタイルが後の起動時に空白になってしまう問題を修正した。
・Microsoft Edge: [Shift]+[F10]キーで開くコンテキストメニューが機能していなかった問題を修正した。
・Microsoft Edge: [←(→)]キーを使用して以前もしくは次のページに移動すると予期せぬトラブルが発生する問題を修正した。
・Microsoft Edge: 「LastPass」拡張機能からパスワードをWebサイトにコピーする際、操作に失敗する問題を修正した。
・Microsoft Edge: 画面上でマウスをドラッグすると予期せぬタイミングでウィンドウの描画が遅くなる問題を修正した。
・Microsoft Edge: 新しいタブでリンクを開いた後にツールチップが、Microsoft Edgeの後ろに描画される問題を修正した。
・Microsoft Edge: 新しいタブを作った後にしばらくの間、入力できなくなる問題を修正した。
・Microsoft Edge: Windows Inkの設定でペンをクリックした際のアクションとして、Microsoft Edgeを起動できた問題を修正した。
・日本語MS-IMEなどを削除すると、Microsoft Edgeが突然クラッシュする問題を修正した。
・DPI設定が異なる複数のディスプレイ環境で、Outlook 2016など一部のあプリケーションをドラッグ&ドロップすると動作しないなどの問題を修正した。
・「設定」の<更新とセキュリティ/Windows Insider Program>のアイコンが正しく表示されるようになった。
・リモートデスクトップなどリモートセッションを終えた後に各ディスプレイ上に配置されたウィンドウが、単一のディスプレイに移動する問題を修正した。
・特定のPC構成で「ストレージセンサー」が正しく稼働せず、ごみ箱を空にできない問題を修正した。
・「設定」の<アプリ/アプリと機能>に並ぶ<オプション機能の管理>で0バイトの項目が表示される問題を修正した。
・直前のビルドでPCのリセット機能(このPCを初期状態に戻す)が動作しない問題を修正した。
・まばらなファイル属性を持つISOファイルをマウントできない問題を修正した。
・手書きパネルに書いた単語を取り消す際に行う取り消し線を使用した際、手書きテキスト候補が正しく機能しなくなる問題を修正した。
・韓国語IME使用時に特定のテキストフィールドに字母を入力すると異常動作を起こす問題を修正した。
・「Windowsストア」による更新時にエラーコード0x8020002Bで失敗する問題を修正した。
・「設定」の<アカウント/サインインオプション>におけるレイアウトを調整した。
・Microsoft Edgeの「F12 Developer Tools」が断続的にクラッシュし、入力を受け付けない問題を修正した。

最後にPC版で確認されている問題を紹介する。

・一部のPCではビルド15046へ更新する際に71%で止まり、以前のビルドへロールバックする場合がある。
・一部のPCゲームを起動する際、タスクバーに最小化してしまうケースが確認されている。ただし、タスクバーのボタンをクリックすれば元に戻せる。
・特定のハードウェア構成では、配信時にゲームバーのウィンドウが緑色で点滅することがある。ただし、配信映像の品質には影響していない。
・一部のUWPアプリケーションはタイトルバーにパッケージ名が表示されることがある。
・Microsoft Edgeの「F12 Developer Tools」のフォーカスが乱れる問題が確認されている。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)