日本で圧倒的な人気を誇るインスタントメッセージアプリのLINEだが、中国では規制により簡単にアクセスできないという状況もあって普及していない。にもかかわらず、中国のネット上ではしばしばブラウンやコニーといったLINEのキャラクターを見かける。(イメージ写真提供:(C)akiyoko /123RF)

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 日本で圧倒的な人気を誇るインスタントメッセージアプリのLINEだが、中国では規制により簡単にアクセスできないという状況もあって普及していない。にもかかわらず、中国のネット上ではしばしばブラウンやコニーといったLINEのキャラクターを見かける。

 中国メディア・今日頭条は20日、「中国のオンライン上で使えないLINEが、オフライン商売でどうしてこんなに人気を集めているのか」とする記事を掲載した。記事は「中国のユーザーはLINEのソーシャルアプリを使用することはできないが、そこから派生した『LINE FRIENDS』のオフラインショップは大人気を博している」と紹介。2015年7月、上海の新天地に「LINE FRIENDS CAFE」がオープンし、今でも「並ばないと店に入れない」状況がしばしば発生しているとした。

 そのうえで「これほどの人気を集めた原因は何なのか」と疑問を提起。まずは、その店の配置に注目し「カフェエリアに入る前に、関連グッズの販売エリアを通る必要がある。そしてこれらのグッズは、ありとあらゆる日用品の分野を網羅しているのだ」と説明した。

 また、中国の消費者が「LINE」のブランドを潜在的に認知していた点も人気の背景として挙げた。アプリ自体は使えないものの、中国で放送される日本や韓国のドラマを通じてその存在を知り、日韓両国において人気のあるアプリであることも「非常にはっきり認識していたのである」と説明している。このほか、他の著名なブランドとのコラボレーションを積極的に行っていることなども、中国における認知度を高める要因として紹介した。

 「アプリ本体は使えないが、そのキャラクターは大人気」というのはいささか奇妙な現象に思える。一方で、中国の社会や関連業界にIP(知財)ビジネスの重要さを改めて痛感させるものと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)akiyoko /123RF)