日本旅行から帰国した中国人の多くが、日本には「風景や商品より魅力的に感じるものがあった」と口をそろえて言うものが存在するようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国人にとって評価が高い日本のものは「文化」であると説明している。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本旅行から帰国した中国人の多くが、日本には「風景や商品より魅力的に感じるものがあった」と口をそろえて言うものが存在するようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国人にとって評価が高い日本のものは「文化」であると説明している。

 記事は、中国にはない優れた日本の文化として、「人びとが列に並ぶこと」、「みなが交通ルールを守ること」、「清潔であること」、「人びとが礼儀正しいこと」などを挙げている。こうした点に共通するのは、利己的ではなく、「利他的」な行動であるということではないだろうか。自分さえ良ければ良いという考えは日本社会のなかでは通用しないのだ。

 例えば、交通ルールを例にすれば、日本であれば信号機が設置されていない場所でも歩行者が横断歩道を歩いているなら、車は横断歩道の手前で停止し、歩行者の横断を優先するだろう。しかし中国では歩行者が横断歩道を歩いていても、信号機がない以上は車は決して歩行者を優先するしない。中国で道を横断するときは慣れていないと恐怖を感じるほどだ。

 記事がこの歩行者優先の交通ルールを魅力的に感じる日本文化の1つとして紹介するのは明確な理由がある。2004年5月1日から施行されている中国の道路交通安全法によれば、車が横断歩道を通過するときは速度を落とさなければならず、また歩行者が横断歩道を渡っているときは車は停止して歩行者に道を譲らなければならないと定められている。

 しかし、「車は歩行者を優先しない」のは中国における一般常識だ。信号機のない横断歩道を歩行者が渡っているとき、車は速度を落とさず横断歩道を通過していく。歩行者の命に対する配慮がまったく感じられない車社会と言えるかもしれない。

 従って中国で生活したことのある日本人は、中国社会を「冷たい」と感じる人も多いのではないのだろうか。反対に中国から日本に来て、車が歩行者を優先する社会を経験すると、人の命を大切にする「温かさ」を感じるのだろう。速度や効率や強さを重視し過ぎる中国の社会にはない優れた文化が日本に存在しているのだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)