2軍で着実に力をつけている平沢大河。課題ははやり守備のようだ

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 昨年のドラフトで大きな目玉になったオコエ瑠偉(楽天)。開幕1軍をつかみ、今も毎試合の動向が注目されている。4月7日の時点でまだ初安打は生まれていないが、プロ入り初のスタメンを経験するなど、着実にスターロードを歩んでいる。

 しかし、春先までもう一人、注目のゴールデンルーキーがいたことをお忘れではないだろうか? そう。平沢大河(ロッテ)である。

 解説者や首脳陣が絶賛するスイングに加え、ロッテの手薄な1軍内野陣という事情も相まって、一時はオコエ以上に「開幕スタメン」の声が高まっていたはず……。

 キャンプ終盤からフェードアウトしてしまった彼の今を探ってみた。

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■オープン戦終盤でひっそり2軍落ち

 ひっそりと表舞台から消えた平沢だが、そもそもオープン戦から報道量はグンと減っていた。その原因はバットに快音がなかったこと。

 オープン戦成績:12打数1安打 打率.083

 7三振を喫した平沢はいわゆる失格。伊東勤監督が「まだまだ雑」と評したように守備面でもプロのスピードに適応するまでには至らなかった。

 本人もそのスピード感の違いは痛感しており、2軍からの再出発が決まった際には、一からの出直しを誓っている。打撃面ではオープン戦の成績以上に評価をもらったが、やはり連係などが緻密なショートというポジションは、平沢をもってしても高卒1年目から、易々と手に入るものではなかったということ。

 外野手であるオコエとは違う、ポジションの壁がやはりあったのだ。

■打撃は調子を上げるも守備はまだまだ!?

 その後、イースタン・リーグ開幕から平沢は2軍で己を磨いている。

 4月7日時点で、12試合に出場。38打数10安打で打率.263、1本、4打点。初本塁打も放っている。一時は打率が1割台に低迷していたが、ようやく持ち直し、現時点では高卒1年目のルーキーとしては上々のバッティングを見せている。

 同じく高卒1年目の坂本勇人(巨人)が77試合で打率.268、5本、28打点だったことを考えると、打撃は現在の数字を維持できれば大いに期待できそうだ。

 一方で課題の守備は……というと、こちらは12試合で4失策。守備率.935。まだまだ改善の余地を残す数字となっている。

 オコエと比べ、報道量は激減しているが、そのポテンシャルは本物。1軍デビューに向けて、平沢がどんな成長のグラフを描くのか。2軍戦での活躍、プレーにも注目していきたい。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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