福山より小栗?民放プロデューサーが明かす”4月期ドラマ”の舞台裏
4月期からの新ドラマのキャスティングが話題になり始めている。月9には福山雅治(47)、ジャニーズ勢では嵐から松本潤(32)、大野智(35)がそれぞれ主演を務めるが、一口にキャスティングといっても「ぜひ起用したい主演」と「無理やり押し付けられる主演」の2パターンがハッキリと存在する。民放某局プロデューサーが知られざる内心を明かした。
■主演俳優を押し付けられるプロデューサーの苦悩4月19日からスタートする伊藤英明(40)主演の『僕のヤバイ妻』(フジ)。この伊藤こそ、「押し付けられる」パターンの代表格のようだ。
「2005年の『海猿』で話題を集め、毎年主演や2番手あたりで連ドラに出演している伊藤ですが、各局とも起用には及び腰というのが本心。女性関係のスキャンダルもさることながら、『おもしろみのない役者』というのが制作側の評価なんです。見栄えや影技力では一定値を超えているとは思いますが、逆に言うと“それ以上の何か”にはまったく期待ができない」
主演起用には、視聴率に結びつく人気や評価が最優先される。とはいえ、安直なキャスティングには当事者なりに苦悩しているようだ。
「やはり作り手からすれば、他の役者には絶対に表現できない力を持っている人間と仕事をしたいというのが本心。でも、オスカーや研音、またジャニーズ事務所のバーター攻勢はものすごく、意のままに行くことなんて稀。『今回我慢すれば、次回は本命を使えるかもしれない』と割り切って消化してますが」
では、本心から起用したい主演俳優は? と聞くと、小栗旬(33)の名前が挙がってきた。
前出のドラマPが語る。
「小栗の危なっかしさで言えば伊藤英明とどっこいな部分はありますが(笑)、やはり役者としての格は数段も上。小栗の“存在感”は圧倒的。食品会社のCMを見ているだけでも『使いたい』と思わせるものを持っている役者ですよ。各局のドラマ担当を集めて人気投票をしたら、福山雅治ではなく小栗旬が一番なのでは」
また、「同じ演技しかできない」などと酷評の声もあるSMAP・木村拓哉(43)に関しては、現場では「使いたい俳優」に分類されるそうだ。
「低視聴率は許されないなど、起用には慎重にならざるを得ないキムタクですが、それでも全世代に通用する圧倒的な知名度は強い。まだまだニーズはある役者です」
新作が発表されると配役をめぐって賛否両論が出る連ドラ。だが、起用する側にも少々意外な本音と建前が隠されていたようだ。
文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。