未だ波紋を広げる校長の発言(写真はイメージです)

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DJあおいの「じゃあ言わせてもらいますけど」

 大阪市立中学の男性校長が全校集会で「女性にとって最も大切なことは子どもを2人以上産むこと」などと発言したことに批判が相次いでいる。24日には、校長自ら教育委員会に進退伺いを提出していたことがわかったが、発言については問題がなかったと強調している。DJあおいはこの騒動をどう分析するのか──。

■戦前の封建制度と変わらない時代錯誤の発言

「女性は2人以上産むことが最も大切、仕事でキャリアを積む以上に価値がある」

 某中学校の校長先生が全校集会で言った言葉らしいのですが、最初にネットのニュースで見たときは「ああ、昭和から価値観がアップデートされていない老害様なんだな」という印象を受けたわけですけども。

「あれは切り取られた言葉に過ぎない、全文を読んでくれたまえ」というクレームがついたので全文を読んでみましたが、印象は全く変わらなかったです。

 簡単に言えば「2人以上産まないと日本の人口が減ってしまうよ、日本のために2人以上産みなさいよ、大学や仕事は子供を2人以上産んでから頑張ればいいよ」ということなのですが、お国のためを思って子供を産もうなんて女性はいないと思うんですよね。

 もし男性から「お国のために子づくりをしよう」なんて言われたら、たとえその人が愛する人だろうとドン引きですよ。「ナニイッテンダコイツ……」としか思えませんよね。

 少子化を憂う気持ちはわからなくはないですが、それに伴う様々な問題点を総スルーしてダイレクトに女性に子供を2人以上産めと言うのは少し乱暴すぎる言及だと思うんですよ。

 戦前の「お国のために命を捨てなさい」という教育と「お国のために産みなさい」というこの校長先生の教育の何が違うのでしょうか。そんなもん戦前の封建制度となにも変わりませんよね。

 そもそも中学校の教育は社会に出るための基本的な知識を得るためにあるものなんじゃないですかね。それを「仕事でキャリアを積むより子供を産む方が価値がある」なんて本末転倒もいいところですよ。

 今はもう男にぶら下がって生きていくには世知辛い時代なんです。女性も社会に出て自立しなきゃ生きていけない時代なんですよね。

 生きるために学び、生きるために仕事をしていくんです。お国のためではないんです、生きるためなんです。その過程の中で様々な出会いがありいい人と結婚をして、2人で協力しながら周りに助けられながら、やがて子供を授かり産んでいくだけです。

 それが結果的にお国のためになるだけであってそれが目的ではないんです。少子化を憂うなら「生きること、愛すること」ということを尊重してあげるのが教育ってものではないんですかね。

著者プロフィール


DJあおい

謎の主婦。ツイッターで独自の恋愛観を綴り、一般人としては異例のフォロワー22万。サブアカウントではフォロワーの恋愛相談にも乗り、こちらも異例のフォロワー15万。著名人のファンも多く、幅広い層から支持されているが、その素性はいまだ謎のまま。

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