侍ジャパンにとって永遠のライバル・韓国との戦いはまだまだ続く!

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 1月30から31日(日本時間)にかけて行われた、サッカーU-23アジア選手権決勝。日本は永遠のライバル・韓国と対戦し、0対2の窮地に追い込まれながら、浅野拓磨(サンフレッチェ広島)の2ゴールと矢島慎也(ファジアーノ岡山)のヘディングゴールで大逆転。3対2で優勝を決めた。

 日韓戦は競技を問わず、日本人、韓国人ともに強烈にライバル意識を燃やす試合となる。まさに「絶対に負けられない戦い」。

 日本側から見れば、競技を飛び越えて、プレミア12での大逆転負けの雪辱を果たす気持ちいい勝ち方をしたとも言えるだろう。しかし、ふと疑問に思ったことがある。

「侍ジャパンが韓国に大逆転勝利を収めたことってあったっけ?」

 先のプレミア12の準決勝をはじめ、韓国に逆転負けを喫した記憶はあるのだが、逆転勝利の記憶はあまりない。

 2006年WBC準決勝で福留孝介が勝ち越しホームランを放ったり、2009年WBC決勝でイチローが殊勲の勝ち越し打を放った記憶はあるのだが、どれも均衡した状況から「勝ち越した」イメージだ。

 果たしてこのイメージは正しいのだろうか。そこでプロが参加するようになった1999年以降の野球日本代表の主要国際試合(五輪関連試合、WBC、プレミア12、21Uワールドカップ)における日韓戦の全スコアを調べてみた。

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■なんと18試合で2度しか逆転していなかった…!

日本先制時=6勝5敗
日本被先制時=2勝5敗

 全18試合を調べた結果、韓国に先制された試合で、「日本が逆転勝ちを収めた」のは、2007年の北京五輪アジア予選と2009年WBC第2ラウンドのなんと“たった2試合のみ”と判明した。本文最下部に詳細なスコアを記したので参照していただけるとありがたい。

 そして、2試合はどちらも序盤の2回での逆転。どうりで「日本大逆転」の記憶がないわけだ。

 逆に日本は先制してから5度の逆転負けを食らっている。それもすべて中盤から終盤での大逆転。「逆転負けが多い」というイメージはやはり正解だったのだ。

「野球はシーソーゲームになることもあるだろう」とのお叱りの声を受けそうだが、韓国にリードを許した後、試合中に「一度でも」リードを奪い返したケースは、逆転勝利を収めた2試合以外では皆無である。

 つまり、その他のリードされた場面ではそのまま敗北するか、追いつくのがやっとで逆転には結びつかなかったということだ。とりわけ、試合中に1度でも2点以上のリードを許した場合はなんと全敗している。

■サッカー日本代表は先制されても意外と平気!?

 ちなみに1999年以降のサッカー日本代表の主要試合(親善試合を除く五輪予選、東アジアカップ、アジアカップなど/A代表&U-23)を調べてみると、先制時は3勝1敗、被先制時は2勝3敗2分だった。

 サッカーにはPK戦やスコアレスドローもあり、そもそも競技が違うので一概に比較するのは野暮かも知れないが、サッカー日本代表は先制点を見事に生かし、被先制時も2度の逆転勝ちを収めている。重要な試合だけをピックアップすれば、「先制を許したとしても互角の戦いをしている」と言っても過言ではないだろう。

 今回のU-23日本代表のように、侍ジャパンにもいつかは日韓戦での「大逆転勝利」を期待したい。もちろん先制勝利が一番望ましいのかも知れないが、たとえ先制されたとしても終盤に試合を引っくり返す展開は“血湧き肉躍る”もの。

 プレッシャーのかかる韓国戦でも「逆転する胆力」。それこそが侍ジャパンの物足りなさを埋めるひとつのカギになるのではないだろうか。

■野球日本代表(侍ジャパン)の日韓戦スコア

1999年シドニー五輪アジア予選
≪決勝リーグ≫
日本|000|201|000|3
韓国|000|103|10X|5
(先制→敗北)

2000年シドニー五輪
≪予選リーグ≫
韓国|400|000|100|2|7
日本|200|010|200|1|6
(被先制→敗北/延長10回)

≪3位決定戦≫
日本|000|000|001|1
韓国|000|000|03X|3
(被先制→敗北)

2003年アテネ五輪予選
≪決勝リーグ≫
日本|001|001|000|2
韓国|000|000|000|0
(先制→勝利)

2006年WBC
≪第1ラウンド≫
韓国|000|010|020|3
日本|110|000|000|2
(先制→敗北)

≪第2ラウンド≫
韓国|000|000|020|2
日本|000|000|001|1
(被先制→敗北)

≪決勝ラウンド≫
日本|000|000|510|6
韓国|000|000|000|0
(先制→勝利)

2007年北京五輪予選
≪決勝リーグ≫
日本|021|000|010|4
韓国|100|100|010|3
(被先制→勝利)

2008年北京五輪
≪予選リーグ≫
韓国|000|000|203|5
日本|000|002|001|3
(先制→敗北)

≪準決勝≫
日本|101|000|000|2
韓国|000|100|14X|6
(先制→敗北)

2009年WBC
≪第1ラウンド≫
日本|350|122|1|14
韓国|200|000|0| 2
(先制→勝利/7回コールド)

≪第1ラウンド≫
韓国|000|100|000|1
日本|000|000|000|0
(被先制→敗北)

≪第2ラウンド≫
日本|000|010|000|1
韓国|300|000|01X|4
(被先制→敗北)

≪第2ラウンド≫
日本|020|000|031|6
韓国|100|000|100|2
(被先制→勝利)

≪決勝≫
日本|001|000|110|2|5
韓国|000|010|011|0|3
(先制→勝利/延長10回)

2014年21Uワールドカップ
韓国|000|000|000|0
日本|000|010|000|1
(先制→勝利)

2015年プレミア12
≪1次ラウンド≫
韓国|000|000|000|0
日本|020|011|01X|5
(先制→勝利)

≪準決勝≫
韓国|000|000|004|4
日本|000|300|000|3
(先制→敗北)

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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