MISOJI MATSURI1985-1986

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 1月第三日曜日は、「三十路の日」!! この日横浜・大桟橋ホールに、吹き付ける冷たい冬の海風にも負けない、熱いハートを持った1000人以上の「三十路」が集結した。なぜ三十路がこの日に集まったのか?

 それはMISOJI MATSURI実行委員によって1月の第三日曜日が「三十路の日」として制定されたから。そのため、この日は成人式ならぬ「三十路式」が行われた。現代を生きる三十路達の生き様をしかと目に焼き付けるべく、「MISOJIMATSURI 1985-1986」の会場に足を運んだ。

めっちゃいい音! 1000人がいっせいに乾杯

 MISOJI MATSURIのスタートは「三十路の日」の記念日登録授与式&1000人での乾杯! 『1000人の三十路が一気にプルタブを開ける音は、どんな感じなのだろう?』という代表・真鍋さんの提案により、会場の皆さんで一斉にビールの缶を開けた。「カシュッッッッ!!!!」という気持ちのいい音と共に幕を開けたイベントは、実行委員、参加者はもちろん出展者も全員三十路。かくいう筆者も三十路だ。こんなにたくさん同い年に囲まれるというのは学生の頃以来だ。いや、数からするとそれ以上の規模。お酒も入り、大人げない大人達は、気のおけない三十路同士のおしゃべりに花を咲かせ、初めて会うというのに同窓会のような雰囲気の祭を楽しんでいた。



せっかく同い年なんだし、友達、もしくは恋人になろう!!

「脳内テーマパーク」と銘打って、様々な企業や団体・個人がブースを出展していた。その中でもイベント開始前から賑わいをみせていたのが【三十路から始める婚活「youbrideparty」】である。普段は婚活パーティーの運営をしている企業が、世の中の迷える三十路のために、会場にいる同い年の気になるあの子や、素敵なアイツと知り合いになれてしまうという神企画を実施した。

 希望者は顔写真を撮り、名前や住まい、趣味、恋人募集や飲み友達募集などのアピールを書いた用紙を公開し、会場内で知り合うことができるという試みだ。いわばリアルとSNSを融合させた、21世紀の出会いの形……! 『ここで出会った二人が、数年後に結婚』ということになったら映画化もできそう。

“三十路のお坊さん”による人生相談室

 昨今のお坊さんブームを象徴するようなブースも。浄土真宗本願寺派のお寺の住職・高山僧侶も「三十寺(みそじ)」を引っさげて参戦。トークショーを行った。子供もに懐かれないパパ、性生活のテクニックをディスられた男子など、救いを求める人たちに優しく寄り添ったアドバイスを与えていた。高山僧侶は、「弥生時代の人間の平均寿命は30歳。死があるからこそ生を感じ、死を近くに感じてこそ素晴らしい毎日が送れる」という、後光が射す名言を私たち三十路の心に刻み、ステージを後にしたのだった。



Gカップにくぎ付け。ミスアラサーちゃん登場!

 最近サブカル界を騒がせているアラサーと言えば、峰なゆか先生作の漫画『アラサーちゃん』。若さと成熟の間で葛藤する主人公アラサーちゃんを、リアルの世界で探そうという「ミスアラサーちゃんコンテスト」の優勝者、松村加南子さんが登場。Gカップ、そして薬剤師という、類い稀に見る恵まれた才能とスタイルの持ち主である松村さんが登場。

 会場にいた男子達がトークショーのスペースを取り囲むように集まる。内臓は一体どうなっているのだ、とツッコミたくなるほど細いウエストと、美しい曲線を描くGカップが同じ体に共存しているという、摩訶不思議なボディが目の前に……! 松村さんの一挙一動に声援を送る男子。三十路女子のあるある、男性への忠告などのトークを繰り広げた。



まさかの“新宿2丁目風”体験!? LGBTを知る!!

 一風変わったアピールで客足を伸ばしていたブースが「好きに変はない〜LGBTを考える〜」。LGBTとは、現代の社会における一般的な性のあり方に当てはまらない人の総称。LGBTのことを知ってもらいたいという気持ちで出展したこのブース、真面目なブースかと思いきや新宿二丁目を彷彿とさせる盛り上がりっぷり。「こんな風に自分がLGBTということに気づいた」など、ご自身の経験を明るくトーク。みんな違ってみんないい!!

 三十路一人一人にそれぞれの人生があるように、性別に関してもそれぞれの道があってもいいじゃない!“成りたい人になる”という思いをこめた、「LGBT成人式@埼玉」が2016年2月6日に開催されるので、そちらも併せてチェックしてみては?



参加者と会場の一部をご紹介

・参加者の中でもひときわ目立っていた、バルーンアーティストの女性。黒とゴールドの小さなバルーンを組み合わせたドレスはインパクト抜群。朝3時からバルーンドレスを制作したのだとか……!



・双子の三十路・なつさんとゆきさん。デザイナーさんのなつさんがパッケージをデザインし、農家の嫁のゆきさんがフードを作るそう。

・普段は学校で版画の先生をしているという女性。この日はカラーセラピーとのコラボワークショップが大盛況。

・用意されたモルツは3,000本。飲んでも飲んでもモルツが出てきた。フードは30歳の漁師、農家、酪農家などの生産者と、30歳の料理人がタッグを組んだ「MISOJI産MISOJI消メニュー」。

・趣味が高じて、プラモやラジコンでおなじみTAMIYAさん全面協力のもと、今回の出展に至ったという男子二人。おもちゃを見つめる男子達の目の輝きは未だ衰えない……!

 男女比は半々くらい。グループでの参加も多かったが、出展者と知り合いで会うために一人で来たという方もちらほらいた様子だが、みなさん大変楽しんでいるようだった。なぜこのイベントに来たのか?という質問に、「これからの人生を考えるため」と真面目な返答をしてくださった方もいれば、「暴走成人式に負けたくなくて」とい三十路の意地を見せた方もいた。また、子供連れのママさんは、子どもと一緒に楽しく過ごせて良かったとのこと。

世界から注目を集めるタンバリン芸人・GONZO登場!

 スペシャルショーには、現在日本だけではなく、世界で話題となっているタンバリンマスターこと、ピン芸人・GONZO(ゴンゾー)が登場。小太り、メガネ、ど派手なタイツ、青いタンクトップ、サスペンダ、ブーメランパンツ。衝撃的な見た目から、まさかとは思ったが彼も三十路。レベッカの「フレンズ」、聖闘士聖矢のテーマソング「ペガサス幻想(ファンタジー)」といった、三十路の心に激しく刺さる懐メロの選曲はさすが。

 さらに、汗がほとばしるほど全身を使って奏で、時に宙を舞うタンバリンという、初見では狂気の沙汰かと思うほどの迫力のパフォーマンスを見せつけた。少しの気持ち悪さくらいは気にならないほど(失礼)圧巻のライブは、1000人の三十路の心をひとつにした。



三十路パフォーマー総出演。締めくくりは「MISOJI SESSION1985-1986」!!

 最後は、型破りな三十路たちによる最高のパフォーマンス「MISOJI SESSION1985-1986」。史上最多の優勝回数を誇る津軽三味線の柴田雅人、ヒューマンビートボックス日本チャンピオンのTATSUYA、シルク・ドゥ・ソレイユなどで世界的な活躍をしているダンサーOBA、フリースタイルフットボールのwasse、ヨーヨーのKO-TA、クリスタルバスケットパフォーマーゆうの6名が織りなすステージで、会場の盛り上がりとテンションは最高潮に。日本最大の三十路の日イベントは、大喝采の中幕を閉じた。

 さまざまなことにチャレンジし、夢中になり、幸せな日々を送っている三十路の皆さんに接して、今までの自分を振り返るきっかけになり、またこれからの自分を考える上でも良い機会になった。そして何より、参加者たちが「私の人生、まだまだこれからだな!」と前向きになれるイベントだった。

 三十路を迎えた我々の可能性を、改めて信じようと思える日になったと思う。来年以降は実行委員などが31歳になってしまうため、MISOJI MATSURIはまた新たなメンバーで行われることだろう。成人の日のように、この日がこれからもっともっと全国の色々な場所で開催され、多くの人にとって、三十路という人生の大きな節目に思いを馳せるという日になってほしいと切に願う。

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(取材/森嶋千春)

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