「俺に賄賂は通じない」ギャングとFBIの史上最悪の汚職に鋭く斬り込む連邦捜査官とは?【映画『ブラック・スキャンダル』集中連載?】

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第七回:スキンヘッドのヤバい奴! ワルの前に立ちはだかる容赦なき連邦捜査官

ジョニー・デップが実在するギャング、ジェームズ・"ホワイティ"・バルジャーを演じ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチと三つ巴の演技バトルを披露する、実話を基にした『ブラック・スキャンダル』が、2016年1月30日(土)から全国ロードショーとなる。

AOL Newsでは、『ブラック・スキャンダル』の首謀者"バルジャー"特別捜査班を編成、"アメリカ史上最大の汚職事件"を描いた本作を9週にわたって検証していく。

【第一回】全員ワル!FBIも恐れたバルジャー率いる地獄のギャング集団「ウィンターヒル"ギャング」

【第二回】実録!米史上最大の汚職を招いたFBI捜査官とギャングの「秘密の協定」

【第三回】ベネディクト・カンバーバッチ、史上最悪の犯罪王の弟で若き政治家を熱演「俳優としてやりがいがあった」

【第四回】ダコタ・ジョンソン、女子大生愛人の次はギャングの「極妻」!裏の顔を持つ男とのタイマン演技

【第五回】ギャングと「秘密の協定」を結んだFBI捜査官に隠された野望とは?

【第六回】正義漢だった夫が悪に染まっていく!FBI捜査官の妻の目に映った恐るべき「秘密の協定」の真相

第七回は、ギャングとFBIの禁断の関係に鋭く斬り込むスキンヘッドの連邦捜査官。ワルの前に立ちはだかるフレッド・ワイシャックの登場で、史上最悪の汚職事件はどんな展開を迎えるのか!

バルジャー(ジョニー・デップ)の情報でマフィア逮捕に成功した特別捜査官ジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)は、FBIボストン支局の特別な存在になった。昇進によって個室が与えられ、同僚たちが彼の指示で動くようになる。お目付役だったジョン・モリス(デイビッド・ハーパー)を抱き込んで、ギャングたちとの交流はより親密になり、まさにわが世の春を迎えた。

だが、コノリーには悩みがつきなかった。イタリアン・マフィアのアジトというFBIにとって固唾の情報を与えられた後、バルジャーから捜査につながる特別なネタはプッツリと途絶えてしまう。窮した彼は、局内のスタッフを煙に巻くために、他の捜査官にもたらされた密告をピックアップし、バルジャーからの情報だと偽りの報告を続けた。やがてボストン支局内では、次席特別捜査官ロバート・フィッツパトリック(アダム・スコット)がコノリーの嘘を見抜く。彼の報告書はすべて誰かの引用ばかりだとチャールズ・マグワイア(ケビン・ベーコン)に進言したのだ。

一方、眼前の敵であるマフィアが勢力を失ったことで、バルジャー率いるウィンターヒル・ギャングはやりたい放題だ。バーの自動販売機の利権を独占し、恐喝、暴力沙汰は日常茶飯。競馬、宝くじ、闇の賭場を仕切り、高金利で金を貸す。ドラッグの密売にまで手を伸ばし、ありとあらゆる犯罪に手を染めていく。

その勢いはボストンだけに留まらず、フロリダでの利権をめぐって白昼堂々実業家を殺害。実行犯はスティーブ・フレミ(ローリー・コクレーン)だった。この事件の密談に同席した殺し屋は、バルジャーから口止め料として2万ドルを受け取る。だが、怯えた末にFBIの保護を求め、バルジャーを売ろうとして致命的なミスを犯す。話をもちかけた相手がジョン・コノリーだったのだ。このタレコミは即刻バルジャーの耳に届くことになる。数日後、この男の顛末を知ったコノリーは、バルジャー軍団の暴走をもはや止められないことを悟る。「何をやっても良い、だが殺しだけはダメだ」と念を押したはずのFBI捜査官は言葉を失った。

やがて、運命の舵が大きく切られようとしていた。

地元の名士で大物政治家ビリー・バルジャー(ベネディクト・カンバーバッチ)が兄のビジネスを黙認し、FBIのジョン・コノリーが暗躍したことで、穏便派の連邦判事はバルジャーの犯罪に触れようとしなかった。そのポストにボストン出身のフレッド・ワイシャック(コリー・ストール)が着任したのだ。

早速コノリーは、レッドソックスのプラチナチケットを手土産に敵情視察に伺う。しかし、「俺に賄賂は通じない」とばかりにチケットには目もくれないスキンヘッドの連邦捜査官は、「バルジャーの周りは犯罪だらけだ。なぜ捜査しない!」とまくし立て、着任早々バルジャーに関するデータの洗い直しを始める。

ワイシャック本人が見ている前で撮影に臨んだコリー・ストールは、「前任の連邦検察官は放任主義で、コノリーとバルジャーの馴れ合いにメスを入れることはなかった。そこに新任のワイシャックがやって来て、何かがおかしいと気づく。バルジャーは信頼できる情報提供者のはずなのに、何ひとつ有力な情報をもたらさない。むしろ、情報はFBIからバルジャーにもっぱら流れている。これは話が違うぞと気付くんだ。ワイシャックはコノリーと初めて言葉を交わしたとき、これから新体制を導入すると宣言する。コノリーの鎧に初めてヒビが入る瞬間さ」と、この重要なシーンを振り返っている。犯罪者を監獄にぶち込むことに至上の喜びを感じる手強い男ワイシャックの登場で、コノリーは追いつめられていく。

そんな時、行動を共にしていたジョン・モリスが「もう限界だ」と漏らす。もはや嘘を突き通すことは出来ない。これ以上、悪の深みにはまってはならないと目覚めたのだ。

「ジェームズ・"ホワイティ"・バルジャーはFBIの情報提供者だった」

誰もが驚愕するこのスクープがボストングローブの第一面を飾ったのは、1988年のことだった。

次回の特捜班レポートは、少なくとも11件の殺人事件に関与したとされるバルジャーの毒牙の餌食となった被害者たちを追います。仁義なき粛正から浮かびあがる"ワルの流儀"とは。ご期待ください。

映画『ブラック・スキャンダル』は、2016年1月30日(土)より、全国ロードショー!

■公式サイト:www.black-scandal.jp

■ハッシュタグ:#ブラックスキャンダル

https://youtu.be/jaHqN1eBs-M


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