必要なのはルールなんかじゃない! 男性目線で見つかった「同棲カップルのけんか」を解決できるもっとも簡単な方法とは?

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今日も疲れた……。仕事から彼と同棲中の部屋に帰ったのはいいけれど、シンクには洗い物がそのまま、彼はソファでビール飲んでうたた寝してる。ふとベランダを見ると洗濯物が干しっぱなし。ちょっと!もう少し家事を手伝っていいんじゃないの!?

同棲経験がある女性なら、誰でも一度はこのように思ったのでは?下手したら別れにも発展しかねない同棲カップルの生活ルールについて、恋愛起業家の大木隆太郎さんに男性目線で分析してもらった。

同棲中カップルのケンカの原因は「家事」と「お金」!

編集部調査によると、同棲中カップルのケンカの原因によく見られるのは、「家事のこと」や「お金のこと」が多くを占めた。

疲れている時に家事を手抜きして文句を言われ喧嘩になった。(28歳女性/人材派遣・人材紹介/事務系専門職) 食事を作ることを強要したことと、部屋が散らかっていることをしてきしたこと。(38歳男性/電機/専門職) お金の問題がいつもの原因でした。(32歳女性/金融・証券/営業職)

そのほか「休日の過ごし方」「帰宅時間」など。細かなものとしては「ビンや缶の分別」「便座の開け閉め」「洗濯物の干し方」などがあった。付き合っていたころのケンカとは異なり、生活に直結したものが多いことがわかる。

ケンカの原因がわかっているなら、未然に防ぐこともできる。編集部調査の「同棲前にあらかじめ決めておいたほうがいいこと」という問いに対して……

家事や清潔感に関するルール。タオルは何日で交換するのかとか、家事のやり方とか。(28歳女性/機械・精密機器/技術職) 家事分担。自分が落ち込んだとき。飲み会へ行くときなど外出するときに相手にお願いしなくてはならないことはあらかじめルールを決めておいたほうがいいと思う。(33歳女性/学校・教育関連/事務系専門職) お金の使い方のルール。生活費などどちらがどういう風に出すかをしっかり話し合っておく。(22歳女性/医療・福祉/専門職) 家賃や食費の負担割合や、家事分担(31歳男性/情報・IT/技術職)

※『マイナビウーマン』にて2015年9月にWebアンケート。有効回答数310件(22〜39歳の社会人男女)

やはり、「生活費のこと」「家事の分担」のルールを事前に決めておいたほうがいいという意見が多く寄せられた。それならあらかじめリストを作っておき、それに則り生活すればケンカに発展しないのではないだろうか?

この仮説をぶつけてみたのは、街コン仕掛け人でもある恋愛起業家の大木隆太郎さんだ。数多くのカップルの出会い・別れを見てきた恋愛のプロフェッショナルである。

■ルールを作っても、男性は長続きしない……?

開口一番、「同棲前にあらかじめリストを作るんですか? それはやらないほうがいいですよ」と大木さん。えっ!? ケンカを防ぐ有効な方法だと思ったのだが……。

「夕食は誰が何曜日に作る、ゴミ出しは誰、門限は何時、といった具合に決めるんですよね? 男性は本能的に戦う生き物なんです。毎日、仕事をするためにルールに従って社会で戦っているわけですよ。戦いが終わり、帰宅したら彼女から”今日はあなたが夕食を作る番だから”と、またルールに縛られる。そんな毎日、男性にとっては疲れるばかりです」

2人が決めた明快なルールに従うだけなのだから、ケンカに発展しないと思うのだが、違うのだろうか。

「最初は、我慢してうまくいくかもしれません。でもそのうち男性側が、この方法は向いていないと気づいてやらなくなります。そこで「決めたのだから、これやって」なんて指示したり命令したりすると、男性は束縛を感じるようになります。同棲生活がうまくいくように作ったリストが、ケンカの原因になりかねません」。

■話し合いで価値観を再確認することが大事

同棲生活を始めるにあたり、ルール作りは有効ではない、と大木さん。とはいえ、これまでまったく違う環境で育った2人が一緒に暮らしていくのだから、「食事の支度」「部屋の掃除」「家賃の支払い」など、生活の中にはケンカ勃発の種がいっぱいだ。衝突を回避し、お互い心地よく過ごすためには、どうしたらいいのだろうか。

大木さんは「ルール作りを前提としない話し合いは大切です」と話す。たとえば、ケンカの原因にも挙げられているお金のことだが、男性は女性にいいところを見せようと、最初は無理して生活費を多く負担する場合もあるという。彼女と一緒に暮らしたいばかりに「夕食は毎日俺が作る」という無理を言ってしまうこともあるかもしれない。

「でもそんな生活は長続きしません。「えっ!家賃は払ってくれるっていったのに!」「夕ごはんは作るっていう決まりでしょ!」と女性が言うとケンカになる。そうではなく、やりくりするにはどうすればいいかをとことん話し合う。話しているうちに金銭感覚のズレなど、価値観の違いに気づくかもしれません」。価値観の違いは離婚原因の1位であるということから、同棲生活にも課題が多いということが、あらかじめわかるというわけだ。

■男性のプライドを尊重しつつ、フェアな生活を

もうひとつの大きなケンカの原因、家事の分担については「食事の支度だったら、手が空いている方や料理が好きな方がすればいいんですよ」と大木さん。共同生活で大切なのは、フェアであること。そのバランスが崩れると、どちらかがストレスになる。制約せず、無理せず、それぞれが得意な方を分担したほうが、お互いが気持ちよく生活できる。

また、「男性のプライドを尊重してあげること」も心地よい同棲生活のための大切なポイントになるのだそう。前述の通り、男性は自分をよく見せたいという気持ち(プライド)があるので、そこをくみ取る懐の広さも大事なのだとか。男性をちょっとでも持ち上げることで、「(彼女のために)何かをしてあげたい」という気持ちを引き出すことができる。

例えば、同じお風呂掃除をお願いするにしても、「夕食のあとにお風呂に入りたいから掃除して」より、「夕食はあなたが大好きな料理を作るね。作っている間に、お風呂掃除をしてくれたら嬉しいな」と言われた方がやる気が出るのではないだろうか。

■男を立ていればすべてが解決!?

大木さんは「男性を立てることを取り入れるのも、ケンカを回避するのに有効です」と話す。「男性を立てる」というと、くすぐったいような難しいような印象を受ける女性もいるかもしれない。フェアな同棲生活と言いながら男性の方を立てるなんて…と抵抗を感じる女性もいるだろう。しかし、大木さんは難しく考える必要はないと語る。「ちょっと言葉を言い換えたり、極端な話、口だけでもいいんです」。

お互い、仕事をしているカップルなら、男性だけではなく女性だってクタクタに疲れている。帰宅したときに彼が何もせず、部屋でゴロゴロしていたら、疲れもあって文句をいいたいところだ。そこをグッとこらえ、「男性は本能的に戦うプライドの生き物である」というのを利用し、プライドをたたえる言葉を伝えてみる。優位に立ちたい男性心理を考慮し、「あなたのために」「あなたはすごい」と、彼を持ち上げる言葉をひとつ加えるだけで、男性が受け取る印象は全く変わってくるのだそう。

「ちょっと男性を立てるだけで、彼は「仕方ないなあ、やってやるか」とホイホイ動いてくれますよ。堅苦しいルールを決めるより、男性のプライドをくすぐって、女性が手のひらで転がすほうが、はるかにうまく生活することができます」(大木さん)

もしも帰宅して、部屋の中に脱いだ靴下が放り投げられたままだとしても、スマホをいじりながら「メシまだ?」と言われても。ちょっとひと呼吸して目を閉じ、手のひらに彼氏を乗せた姿をイメージしてみよう。こちらのペースに乗って、彼が脱ぎ散らかした靴下を片付けはじめたら、シメたものである。

(松原圭子/フォルサ)