写真はtwitterより

写真拡大

 安全保障法案(安保法案)に関わるニュースでテレビを賑わせている、SEALDs(シールズ)。SEALDsとは「Students Emergency Action for Liberal Democracy - s」の略で、コンセプトは英語の直訳のとおり、自由と民主主義に基づく政治を求める、学生たちによる緊急アクションである。連日、国会議事堂の前で行われているデモの中心となっている団体だ。

 その中心メンバーである明治学院大学4年の奥田愛基(あき)氏は、ツイッターで安保法案反対デモの様子をアップしてきた。トラメガを持ち、ラップのリズムに乗せて訴える動画や画像が拡散されている。

SEALDs誕生は報ステが関係している?

 SEALDsの前身は、2013年12月に成立した特定秘密保護法案に反対した学生有志の集まりだった。SASPL(サスプル、Students Against Secret Protection Law)という名前で勉強会などを行い、活動してきた。

 奥田氏は特定秘密保護法案の反対デモには参加せず、「ちょっと見に行く」側の一人だった。ところが特定秘密保護法案が採決された2013年12月6日、報道ステーションで古館伊知郎キャスターが「今日、民主主義は終わりました」と発言したことに刺激を受けた模様。「じゃ、始めなきゃ」と、この夏、全国そして海外でも話題になったデモに至ったのだ。その意味で、SEALDsの“生みの親”は報道ステーションの古館と言えるかもしれない。

 そんな奥田氏は9月15日、民主党の推薦により、参議院の中央公聴会で公述人の一人として出席。安保法案について「廃案にするしかありません」と反対の立場で意見を述べた。

 こうした活動について、

「立派だ」
「ただの感情論だ」

 と、ネット上では意見はさまざま。賛否を分かっている。

 そんな中、ホリエモンこと堀江貴文氏は、自身のサイト「HORIEMON.COM」やツイッターで、SEALDsを一貫して批判してきた。特にフォロワーが137万人いるツイッターでは「相変わらず暇人笑」「恥の上塗り乙」と、短い言葉で断定的にdisる、いつものホリエモン節を繰り返してきた。

 ホリエモンが「しつこくdisる」という書き方で、SEALDsの意見に反対する理由の一つは、SEALDsとホリエモンとでは、安保法案の解釈が根本的に異なっている点にある。「戦争反対」とデモが行われている中、ホリエモンはそもそもが戦争法案ではないという立場。一部で見られる「安保法案=徴兵制を招く」という解釈を否定しており、SEALDsメンバーらの理解度の低さに苦言を呈している。

 政治に関心がないと言われる若者の間で、久方ぶりに生まれたかに見えたムーブメントは、果たしてどこに行き着くのか。

(取材・文/春山修司)