大阪都構想の頓挫で退く橋下市長の後任は誰に!?

 7月23日告示、8月9日投開票の埼玉県知事選挙で、これまで多選批判してきながら自ら多選出馬をする上田清司知事。もし、自民党が対抗馬を出せなければ「ヘタレ」批判やむなしと、2週前にも記した。その自民党埼玉県連は元総務官僚の塚田桂祐氏(58)をぎりぎりになって擁立、なんとか意地を見せた。このふたりを軸に選挙戦が展開されると予想されるが、8月9日にどんな結果が出るかが注目される。

 今年の大きな選挙と言えば、秋にも自民党総裁選が行われるが、こちらは安保法制やアベノミクスによほどの異変がない限りは安倍再選で無風の様相だ。そんな中、今年秋、最大の選挙と世間の耳目を集めそうなのは、すでに大阪都構想の反対の声を受け辞任表明した橋下徹大阪市長の後継を争う大阪市長選挙だろう。

今年の選挙は大阪が白熱

 橋下後継として早くも複数の候補名があがる。

 本人がガンだとして否定しているものの、その名が消えない筆頭は元読売テレビキャスターで現在フリーアナウンサーの辛抱治郎氏(59)だ。

「橋下とはテレビで何度も共演し、意気投合しているし、橋下も冗談めかして市長、政治家に薦めているほど。しかし、太平洋横断を試みたヨットで遭難した際には世間から大バッシングを受けた過去もある。その辺をどうクリアしていくかだろう。本人の気持ちが最も大きい」(地元事情通)

 辛坊氏と同じく複数の維新関係者から維新候補として名前があがるのが、朝日放送「おはよう朝日です」のキャスターを務める岩本計介アナウンサー(39)だ。

「奈良県出身だが京都大法学部卒後、朝日放送に入社。その後は大阪とべったりなので出身地は問題ない。大学時代はアメフト選手。朝日放送入社後もスポーツ番組を担当するなどスポーツマンで顔もなかなかイケメン。それだけに、主婦や若い女性にも人気だし、維新の中でも受けも良く、知名度もあるので本命視されている」(事情通)

 他でも維新候補としては複数、芸人やタレントの名もあがるが、誰が本命になるかはこれからだ。

 一方、対抗する自民党などはどうするか。前回選挙で破れた平松邦夫元市長が再びチャレンジするかだ。大阪市議の一人が語る。

「平松は自分が前回選挙戦で反対した大阪都構想が結局、住民投票で否定されたことで、自分が唱えてきたことがある程度認められたと感じている。再出馬の意欲は持っているようだ。しかし、一度手垢がついた候補を大阪という土地柄がどう受け止めるか。大阪自民党の判断も注目される」

 また、毎日放送の河田直也アナウンサー(41)も注目されている。母親が宝塚で本人はバラエティや情報番組を担当し、しかも目じりのちょっと垂れた親しみやすい顔でなかなかの人気だ。

「河田に関しては多くの政党が注目しているが、やはり河田が政界進出に意欲を持っているかの一点につながる」(河田氏周辺)

 同時知事選も予測され、今年の秋は大阪が熱くなりそうだ。

田村建雄(たむらたてお)1950年生まれ。地方新聞記者から週刊誌記者に。現在は月刊誌、夕刊紙などに政治、事件記事など寄稿。著書に『ドキュメント外国人犯罪』『中国人毒婦の告白』など多数。