27日、JR東日本とNTTドコモ、JCB、ビットワレットが発表した4社共通の決済端末と各社の担当者。(撮影:吉川忠行)

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ICカードや携帯電話を使った少額の電子決済サービスを展開するJR東日本<9020>、NTTドコモ<9437>、JCB(本社・東京都港区、信原啓也社長)、ビットワレット(本社・東京都品川区、川合成幸社長)の4社は27日、加盟店が店頭に設置する決済端末の共通化を行うことで合意したと発表した。端末が1台となることで、店頭の設置スペース削減や導入コストを抑えられるため、少額電子決済サービスの普及が進むと見込んでいる。

 4社の規格はすべて異なり、異なる決済端末が必要。JR東が「Suica(スイカ)」、ドコモが「iD(アイディ)」、JCBが「QUICPay(クイックペイ)」、ビットワレットが「Edy(エディ)」をそれぞれ手がけている。SuicaとEdyは駅や店頭で入金して利用する前払い方式、iDとQUICPayは利用後に金融機関の口座から代金が引き落とされる後払い方式を採る。

 JR東とドコモは2005年7月から共通の決済端末について協議を行ってきた。決済端末の開発は両社が共同で進めてきており、4規格すべての非接触型ICカードの読み書きが行える機種が間もなく完成する見込みだ。07年1月には「共通インフラ運営有限責任事業組合(LLP)」が、決済端末と端末を管理する「共通利用センター」をあわせた「共通インフラ」の運営を開始する予定。LLPは06年10月にJR東とドコモが計4億円を出資して設立する。運営開始の時点では両社が利用し、JCBとビットワレットが順次参加する。また、4社では他の電子決済サービス事業者にも参加を呼びかけていく。

 非接触ICカードの共通決済端末は、06年末完成を目指してNEC<6701>が、Suicaをはじめとする6規格に対応した端末の開発を行っている。東京都渋谷区のJR東日本本社ビルで同日行われた共同会見で、4社はいずれも「どの端末を導入するかは加盟店が決めること」との姿勢を示し、セキュリティーやコストの面など、決済事業者自身が手がけることの優位性を強調した。【了】

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