27日、意見陳述を終えて記者会見する原告代表と弁護団。(撮影:吉川忠行)

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ライブドア(LD)とライブドアマーケティング(LDM)の個人株主による損害賠償請求訴訟の第1回口頭弁論期日が27日午前、東京地裁(市村陽典裁判長)で開かれ、原告側が意見陳述を行った。

 被害弁護団長の米川長平弁護士は「粉飾決算による不当な株価形成について証取法に基づく損害賠償請求であり、このような損害は回復されるべき」と意見書を読み上げ、「金融ビッグバンという規制緩和が認められたことから、LDが緩和の隙間をついた不正行為をするのは認められない」と述べた。

 原告のひとりで、LD株で約470万円の差損を被った清水一郎さん(62・千葉県在住)は「テレビ局と競うぐらいだから財務面もしっかりしているだろうと思った」などと投資し続けた理由を陳述し、「私財を投げ打ってでも損害を被った原告にお金を返してほしいという気持ちでいっぱいです」と訴えた。その後、弁護人が別の原告(33)の意見陳述書を代読した。

 30分ほどで終了した意見陳述の後、弁護士会館で被害弁護団が開いた記者会見で、米川団長は「われわれの実情を明確に話し、裁判所に理解してもらえるように努めた」と語り、堀江貴文元LD社長ら被告側と全面的に争う姿勢を改めて示した。

 同裁判と同じころ、別の大法廷では宮内亮治被告ら元LD経営陣4人に対する刑事裁判が行われていた。被害弁護団のひとり、紀藤正樹弁護士は、民事の損害賠償訴訟と刑事との関連について「粉飾決算が客観的に認められれば、有罪・無罪に関係なく、その部分の損害が認められるかどうかの問題になる。必ずしも連動しているわけではない」との見方を示した。

 第1回口頭弁論期日の対象となったのは、第1次訴訟の原告1627人で、LD、LDM、堀江被告(33)ら計26の個人と法人に対して、総額101億円の賠償を求めている。7月末まで受任手続きを行っており、弁護団は、第2次、第3次訴訟を合わせると、原告数は全体で3000人以上、被害総額は200億円を超える訴訟になると見込んでいる。今後は隔月で口頭弁論が行われる予定で、9月28日の第2回には、 3000人規模の原告団が出そろう。【了】

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