24日、経団連会長に選出され、奥田前会長(右)と握手する御手洗氏。(撮影:吉川忠行)

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日本経団連は24日、東京都千代田区の経団連会館で総会を開き、奥田碩会長の後任にキヤノン<7751>会長の御手洗冨士夫氏が就任する人事を正式に決めた。任期は2年。奥田氏は名誉会長に就任する。

 総会では、新日本石油<5001>会長の渡文明氏と、味の素<2802>会長の江頭邦夫氏を新たに副会長に選任。決算・予算案などのほか、千代田区大手町の合同庁舎跡地に地上23階、地下4階の新経団連会館を建設することも承認された。

 御手洗新会長は就任後、「イノベート(変革する)日本」をキャッチフレーズに掲げ、「経済成長を確実なものにするために、技術立国を目指す」と財界の舵取りに強い意欲を示した。

 また、奥田前会長の改革路線を継承する考えを表明。「公正な競争の結果の格差は当然」と格差を正当化する一方、「(英国の経済学者)アダム・スミスは、相互援助はすべての人に必要と語っている。思いやりの精神を、私は愛国心と呼びたい」と訴えた。

 政治との関係については「なれ合いや癒着はあってはならないが、緊密な議論が出来る間柄でありたい」と表明。日中、日韓関係では「(国の)トップ同士相互で話せるような環境を熱望している」と注文した。【了】

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