11日、都内の外国特派員協会で会見する国際航空会社連合スターアライアンスのヤーン・アルブレヒトCEO(最高経営責任者)(左)と全日空の山元峯生社長。(撮影:吉川忠行)

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羽田空港の第4滑走路ができる2009年ごろに、低価格のキャリアが、日本の空のビジネス路線に参入してくるかもしれない。全日本空輸<9202>の山元峯生社長は11日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で、国際航空会社連合スターアライアンスのヤーン・アルブレヒトCEO(最高経営責任者)と会見に臨み、変わりゆく日本の航空業界について展望を語った。

 欧州では、ライアンエアーやイージージェットなど格安航空会社が台頭し、航空運賃を大幅に下げるなど競争が激化している。空席を安く提供するサービスなど、料金体系も多様で、国際線の1区間が1ポンド(約200円)を切る“激安チケット”も存在する。飛行機の機種を絞り込んで大量購入することで、機体購入やメンテナンスの費用を低く抑え、機内でのサービスや乗組員数を最低限にすることで、航空運賃を下げている。

 山元社長は、全日空が“激安チケット”を販売する可能性については否定した。しかし、「リーズナブルな運賃で、一定以上のサービスを提供していきたい」と話した。

 日本航空<9205>が先月25日、世界の大手8社で構成する国際旅客連合ワンワールドへの参加を決めたと発表したことについて、アルブレヒトCEOは「アライアンスのメリットがようやく理解された。乗客はマイレージなどアライアンスならではのサービスを求めている。99年にアライアンスに加盟した全日空は時代を先取りしてきた」と語り、これからアライアンス同士が競合する時代になるとの認識を示した。

 スターアライアンスは来年6月の成田空港の拡張時に、日本路線を持つ加盟11社のうち10社を、第1ターミナル南ウイングに集結させる。乗り換え時間の短縮とシステム手順の統一化により、アライアンス内での乗り換え客の利便性を向上させるという。また、加盟社で機体を共同購入する案なども浮上しているようで、航空各社の収益力と乗客の満足度を両立させる手段を模索している。【了】

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