医療事故などを理由に、患者が病院や医師を訴える民事の「医療訴訟」。その件数は、1000件を超えた2004年をピークに減少したものの、この数年、再び増加傾向にあり、年間800〜900件で推移している。浜松医科大学医学部教授の大磯義一郎氏は、医療事故が相次ぎ、「医療安全元年」とも言われる1999年に、医師として働き始めた。その当時、病院内では「訴えてやる」という暴言が飛び交い、医療不信を肌で感じていたという。その大磯氏