ロンドン五輪男子サッカーの3位決定戦で11日、試合後に「独島(日本名:竹島)はわれらの領土」とハングル文字で書かれた紙を掲げた韓国代表MFの朴鍾佑(パク・ジョンウ)に対し、国際オリンピック委員会(IOC)が制裁を検討している。韓国の複数のメディアが報じた。

 韓国メディアは、「パク・ジョンウ、独島セレモニーでメダルはく奪の危機」「最初は独島セレモニーをしようと思っていたク・ジャチョルの発言より衝撃」などと題し、IOCと国際サッカー連盟(FIFA)も、大韓サッカー協会にパク・ジョンウの行動についての真相調査書を16日までに提出するよう要請し、波紋が広がっていると伝えた。

 IOCは、オリンピック憲章で「オリンピック・エリアにおいては、いかなる種類のデモンストレーションも、いかなる種類の政治的、宗教的もしくは人種的な宣伝活動は認められない」と規定している。

 韓国メディアは、五輪における政治的なセレモニーはこれが初めてのケースではなく、過去に波紋を起こした代表的な例として、1968年に開催されたメキシコ五輪の陸上男子200メートルの授賞式があると紹介。

 金メダルと銅メダルを獲得した米国の黒人選手トミー・スミスとジョン・カルロスは、黒い手袋と黒い靴下姿で授賞式に参加し、米国内の人種差別に抗議した。これに対して、IOCは「オリンピック精神を毀損(きそん)する政治的行為」だとし、彼らの選手資格を停止した。

 一方、大韓体育会は、サッカー韓国代表チームによる調査をもとに、パク・ジョンウは観客席から紙を受け取った際、内容をよく確認することなく掲げた偶発的な行動であったと、IOCに主張する方針だという。(編集担当:李信恵・山口幸治)