健康で文化的ナ最低限度の生活

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日本国憲法の第二十五条には
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

とある。その理念に基き、経済的に困窮する国民に対して“健康で文化的な最低限度の生活”を保障するための公的扶助制度としてあるのが生活保護。ネット上では“ナマポ”なんて呼称もついていたりして、そのあり方について頻繁に議論がなされている。

生活保護受給者に対して様々な働きかけをする職員を“ケースワーカー”と呼ぶのだが、そのケースワーカーが主人公の漫画が小学館のビッグコミックスピリッツで連載中の『健康で文化的な最低限度の生活』である。柏木ハルコ先生のこの作品、現在コミックスが2巻まで発売されている。

新卒公務員の義経えみるが配属されたのは福祉事務所。
えみるはここでケースワーカーという
生活保護に関わる仕事に就くことになったのだが、
そこで生活に困窮した人々の暮らしを目の当たりにして――


作中で描かれているさまざまな生活保護受給者がなんとも生々しく、現場の苦労が伝わるような感じで、読んでいてつらくもあるが面白い。

『このマンガがすごい! 2015』オトコ編で第10位にランクインした作品で、第2巻は
緊迫の[不正受給]編始動。

となっており、生活保護の中で特に興味のあるテーマだという方も多いのではなかろうか。一読をおすすめする。