後輩のハートをつかむ、10個のコミュニケーション術「命令口調に注意」「後輩にも『ありがとう』と言う」

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職場の後輩は、先輩のことをよく見ているものです。信頼できるかどうか、ちょっとした言動から判断されてしまうこともあります。新入社員を迎える前に、嫌な先輩にならないためのコミュニケーション術をおさらいしましょう。

中央話し方教室の代表講師・栗原君枝先生に教えていただきました。

■1:命令口調に注意

『○○しておいて』といった命令口調は、できるだけ使わないように気をつけましょう。何かを頼むときには『○○してもらっていいかな?』と、疑問形にすると良いですね。

■2:話しかけるときは後輩の状況に配慮

後輩に指示を出したり、注意したりするのは先輩の仕事。しかし、そうは言っても、後輩にも自分の仕事があります。タイミングを考えず、忙しそうな後輩に対して突然話しかけるのは避けましょう。『今、少しいいかな?』の一言で、後輩が受ける印象は大きく変わります。

■3:間違った意見でも、一旦受け入れる

後輩が間違った意見を言うこともあるでしょう。『それは違う』といきなり否定すると、後輩は『私の意見は無視された』という印象を受けます。まずは相手の意見を一旦受け入れることが肝心です。

『あなたの考えはわかりました。それも一つの考え方だと思います』と肯定し、それから『でも今回は、こちらの考えが正しい』と反対意見を述べると、後輩が受け入れやすくなります。

■4:アドバイスでは「も」を使う

先輩としてはアドバイスのつもりでも、言い方を間違えると後輩に『意見を押しつけられた』と受け取られてしまうことがあります。それを避けるために、『こんな方法“も”あるよ』といったように、アドバイスでは『も』を使って提案してみてください。

■5:後輩のミスは、先輩も一緒に反省

後輩が仕事でミスをしたときこそ、先輩の真価が問われます。『ダメじゃないの』と注意するだけではなく、先輩もそのミスを一緒に反省しましょう。『私も説明不足だったから』といったように、先輩も一緒に反省してくれると、後輩はとても心強く感じるものです。

■6:「そんなこともわからないの?」は厳禁

先輩にとっては常識だと思えることでも、後輩は知らない場合があります。そんなとき、『そんなこともわからないの?』の一言はグッと我慢して。『知らなくて当たり前』と思い、丁寧に教えてあげましょう。

■7:「常識」「普通」は説得力なし

後輩に注意やアドバイスをするときには、自分の意見として伝えることが重要。例えば後輩が目上の人のいる席で上座に座ってしまった場合、『目上の人に上座を勧めるのが常識』『普通は上座を避けて座るでしょう』などと言いがちですよね。

しかし、『目上の人には上座を勧めるのがマナー。私はこういったマナーはとても大切なことだと思うから、あなたにもきちんと覚えてほしい』と、自分の気持ちを伝えた方が後輩の心に残りやすく、説得力が増します。

■8:ミスの指摘では「理由」に重きを置いて

ミスを指摘したり、叱ったりするときには、『こんなミスはダメだ』とミスを責めるだけになりがちです。しかし、大切なのは同じミスを繰り返させないこと。『ミスをした理由』について話すように心がけましょう。

■9:当然のように頼みごとをしない

後輩に何かを頼むときに、『先輩は後輩に命令して当然』という態度にならないように注意しましょう。たとえ後輩であっても、何かを頼みたいなら『すみませんが……』や『悪いのだけれど……』の一言を添えて。

■10:「ありがとう」が言える先輩に

後輩が自分を助けてくれたときには、きちんとお礼を言える先輩になってください。先輩の指示に従って後輩が業務をこなす。それは当然と言えば当然です。しかし、当然だと思われていると、後輩としてはやはり気分が良くないものです。

「そんなこともわからないの?」「こうするのが常識でしょ?」など、つい後輩に対して言ってしまう人も少なくはないはず。今からでも遅くはありません。ぜひ今回ご紹介したコミュニケーション術を意識して、後輩から慕われる先輩を目指しましょう!

(OFFICE-SANGA 森川ほしの)