先日行われたACL準決勝第1戦では、柏レイソルが広州恒大にホームで4失点の大敗を喫した。先制したのは良かったが、後半の終盤は足が止まってしまったね。まだ終わったわけではないけど、これで決勝進出はかなり苦しくなった。
 
 JリーグはACLに参戦するクラブに対して最大限のバックアップを約束していたが、柏の日程が調整されることはなかった。日本の代表としての柏を本気でバックアップする、リーグも一体となってアジアのトップを狙いにいく、という気概が見えなかったのは残念だ。

 ただし、これを敗戦の言い訳にしてはいけないね。ああだこうだと騒いでも、確かなことは相手のほうがレベルが上だったということだ。広州は巨大な資本をバックに、高い年俸で強力な外国人選手を雇い、中国代表クラスをずらりと揃えている。金満クラブだと愚痴の一つも言いたい気持ちも分からなくはないけど、強いチームを作るにはお金が必要であり、柏にはそれがない。これが事実だ。
 
 それは柏に限った話ではないね。2ステージ制以降の話でも散々取り上げられているけど、今、Jリーグ全体がしぼんでいる。海外から強力な助っ人を雇い、華やかなスポットライトが浴びせられていた20年前と比べれば、その資本力の差は明らかだ。
 
 それはプレーのクオリティに直結し、Jリーグのレベルは残念ながら落ちている。もう何年もJリーグにいるマルキーニョスが相変わらずゴールを量産し、ドゥトラが大活躍している横浜FMが首位にいるという現状は、それを物語っているように思えるね。

 そこへきての2ステージ制回帰という話だが、この国のサッカー文化の長期的な発展を望むならば、その目先の10億円ではなく、何度も言うように根本の部分の改革をしなければならない。リーグ本体による中央集権の解体、親会社ありきの体質からの決別、チーム数の精査等。いつ潰れてもおかしくないクラブばかりが集まった3部リーグにどんな魅力があるのか。無理をしてライセンスを取得した先に何があるのか。

 独立独歩のプロクラブが自由競争の中で魅力を創出し、お金を集め、質の高い選手を雇い、育てる。そういうサイクルの中で行われる2ステージ制であれば別にかまわないよ。今の流れのままでは根本的な解決にはならないだろうね。