豊田にボールが集まらない本当の理由
豊田陽平「まだまだ最後に頼ってもらうところが少ない」/日本代表
豊田は後半19分から交代出場した。出場時間はそれなりに与えられていたが、シュート数はゼロ本に終わっている。本人によると、まだ周囲の信頼を得られていないため、チャンスボールがこなかったのだそうだ。
豊田へボールが集まらなかった原因が、本人にあるのか、それとも周囲にあるのかが気になるところである。そこで今回は、実際のところどうだったのかを調べてみた。
・後半22分
遠藤が左サイドに流れてボールを受けたシーン。豊田はファーサイド走り込み、クロスを受けようとしている。
しかし、クロスは豊田の頭上を超えて右サイドから走り込んできた岡崎へ。岡崎のヘディングシュートは、運悪く豊田にあたってしまう。
遠藤はDFにマークされている豊田よりもフリーの岡崎を優先したのだろう。実際に岡崎はフリーでヘディングシュートを放っているので、その判断は間違ってはいなかった。
・後半23分
速攻から本田がフリーで前を向いたシーン。豊田はDFラインの背後へスルーパスを呼び込もうとしている。
だが、本田はなかなかパスを出さないため、豊田がオフサイドポジションに入ってしまっている。本田はシュートを選択。
ここは豊田が完全にCBルガノの裏を取れていたので、本田にはスルーパスを出してもらいたいところだった。ルガノは鈍足なのでGKとの1対1に持ち込める可能性は十分にあった。
・後半30分
山口のロングパスを本田が右サイドへ受けたシーン。豊田はまたもファーサイドでクロスを待ち構えている。今度は岡崎と動きが重なっていない。
本田はクロスではなく、後方から走り込んできた香川へパス。香川はシュートを放つがDFにブロックされてしまう。
香川は完全にフリーだったので、ここはマイナスのパスでOK。無理に豊田へ放り込む方が判断ミスと言えた場面だった。
・後半35分
左サイドで酒井が遠藤からのパスを受けたシーン。豊田がファーへ、香川がニアへ動いて交差する動きを見せている。
香川は続けて本田とポジションを入れ替えている。酒井は安易にゴール前へ放り込まず、遠藤へいったんボールを戻した。
左サイドでフリーになった香川を遠藤が見逃さず、浮き球のパスを通す。
豊田は今度はファーサイドからニアサイドへ走り込んでクロスに合わせようしている。
けれども香川のクロスは豊田ではなく本田へ。本田はジャンピングボレーを放つがボールは枠を大きく外れる。
豊田が香川へ「なんでニアに出さないんだ。」と怒っている。
本田もフリーだったが、豊田もCBの前をとることができていた。香川がニアにボールを送っていればゴールを奪えていた可能性が高い。
・後半38分
左サイドで遠藤のパスを受けた駒野。豊田は駒野のクロスを予想してファーサイドへ。その外側には岡崎がいる。
岡崎は後半22分に豊田と動きが重なったことを反省して、ファーサイドには走り込まず、どうとでも動けるようにニュートラルな姿勢をとっている。
駒野のクロスは、ゴール前へ飛び込んだ豊田の背後を通過してしまう。そのボールに岡崎が反応。スライディングシュートを打つが、シュートは枠をそれてしまう。
ここでも豊田が囮役になっている。豊田にマークが集中し、警戒が緩んだ2列目のアタッカーがシュートを放つという形になっている。後半23分以外のシーンは、すべて同じ構図だ。
・後半43分
豊田は、右側のゴールポストを目指して走り出している。遠藤から左サイドをオーバーラップする酒井へ展開され、その酒井からのクロスが来ることを予想しての行動だろう。
その予想は外れる。遠藤はシュートを選択。しかし枠には飛ばなかった。
遠藤としては攻撃に変化をつけたかったのだろう。結局、豊田はゴール前で1本のパスも出してもらえなかった。
豊田が周囲から信頼されていないかといえば、そのとおりだろう。すくなくとも身長196センチのCBコアテスにマークされてもヘッチャラとは思われていなさそうだ。
コアテスにマークされている豊田よりも、フリーの2列目へパスを出した方が良いという判断は理解できる。
今後、豊田は代表レベルの長身CBにも空中戦で競り勝てるという事実を地道に積み上げていくしかなさそうだ。
豊田は後半19分から交代出場した。出場時間はそれなりに与えられていたが、シュート数はゼロ本に終わっている。本人によると、まだ周囲の信頼を得られていないため、チャンスボールがこなかったのだそうだ。
豊田へボールが集まらなかった原因が、本人にあるのか、それとも周囲にあるのかが気になるところである。そこで今回は、実際のところどうだったのかを調べてみた。
・後半22分
遠藤が左サイドに流れてボールを受けたシーン。豊田はファーサイド走り込み、クロスを受けようとしている。
しかし、クロスは豊田の頭上を超えて右サイドから走り込んできた岡崎へ。岡崎のヘディングシュートは、運悪く豊田にあたってしまう。
遠藤はDFにマークされている豊田よりもフリーの岡崎を優先したのだろう。実際に岡崎はフリーでヘディングシュートを放っているので、その判断は間違ってはいなかった。
・後半23分
速攻から本田がフリーで前を向いたシーン。豊田はDFラインの背後へスルーパスを呼び込もうとしている。
だが、本田はなかなかパスを出さないため、豊田がオフサイドポジションに入ってしまっている。本田はシュートを選択。
ここは豊田が完全にCBルガノの裏を取れていたので、本田にはスルーパスを出してもらいたいところだった。ルガノは鈍足なのでGKとの1対1に持ち込める可能性は十分にあった。
・後半30分
山口のロングパスを本田が右サイドへ受けたシーン。豊田はまたもファーサイドでクロスを待ち構えている。今度は岡崎と動きが重なっていない。
本田はクロスではなく、後方から走り込んできた香川へパス。香川はシュートを放つがDFにブロックされてしまう。
香川は完全にフリーだったので、ここはマイナスのパスでOK。無理に豊田へ放り込む方が判断ミスと言えた場面だった。
・後半35分
左サイドで酒井が遠藤からのパスを受けたシーン。豊田がファーへ、香川がニアへ動いて交差する動きを見せている。
香川は続けて本田とポジションを入れ替えている。酒井は安易にゴール前へ放り込まず、遠藤へいったんボールを戻した。
左サイドでフリーになった香川を遠藤が見逃さず、浮き球のパスを通す。
豊田は今度はファーサイドからニアサイドへ走り込んでクロスに合わせようしている。
けれども香川のクロスは豊田ではなく本田へ。本田はジャンピングボレーを放つがボールは枠を大きく外れる。
豊田が香川へ「なんでニアに出さないんだ。」と怒っている。
本田もフリーだったが、豊田もCBの前をとることができていた。香川がニアにボールを送っていればゴールを奪えていた可能性が高い。
・後半38分
左サイドで遠藤のパスを受けた駒野。豊田は駒野のクロスを予想してファーサイドへ。その外側には岡崎がいる。
岡崎は後半22分に豊田と動きが重なったことを反省して、ファーサイドには走り込まず、どうとでも動けるようにニュートラルな姿勢をとっている。
駒野のクロスは、ゴール前へ飛び込んだ豊田の背後を通過してしまう。そのボールに岡崎が反応。スライディングシュートを打つが、シュートは枠をそれてしまう。
ここでも豊田が囮役になっている。豊田にマークが集中し、警戒が緩んだ2列目のアタッカーがシュートを放つという形になっている。後半23分以外のシーンは、すべて同じ構図だ。
・後半43分
豊田は、右側のゴールポストを目指して走り出している。遠藤から左サイドをオーバーラップする酒井へ展開され、その酒井からのクロスが来ることを予想しての行動だろう。
その予想は外れる。遠藤はシュートを選択。しかし枠には飛ばなかった。
遠藤としては攻撃に変化をつけたかったのだろう。結局、豊田はゴール前で1本のパスも出してもらえなかった。
豊田が周囲から信頼されていないかといえば、そのとおりだろう。すくなくとも身長196センチのCBコアテスにマークされてもヘッチャラとは思われていなさそうだ。
コアテスにマークされている豊田よりも、フリーの2列目へパスを出した方が良いという判断は理解できる。
今後、豊田は代表レベルの長身CBにも空中戦で競り勝てるという事実を地道に積み上げていくしかなさそうだ。
国内外問わず様々な試合に触れ、システムや選手個々の役割などチーム戦術に注目し分析を行う。ブログとは別に、「やる夫で学ぶフットボールの歴史」のスレ主でもある。