【中国ブログ】四川の地震、日本の救援を断ったことに利益はない
四川省で発生した地震に対する救援活動について、中国人男性の「丁〓」さんは中国政府が日本の申し出を断ったことに反論し、人道支援に政治を持ち出すべきではないと訴えた。（〓は口へんに「冬」）
4月20日、四川省でマグニチュード（M）7．0の地震が発生し、多くの死傷者が出た。安倍晋三首相はすぐに中国に対して支援を申し出たが、中国政府は謝意を示しつつも「支援は不要」と断った。
筆者は、中国政府が日本の申し出を断った背景には「反日主義に迎合し、民族を守る施政者としてのイメージを確立する」ための思惑があったと主張。外交に政治が大きな影響を及ぼしていると述べ、その証拠に「ロシアからの救援隊は受け入れたという矛盾」を指摘した。
筆者は日本の救援の申し出は「善意に基づいている」と主張、その証拠に日本の谷口内閣審議官は今回の援助を通して、「東日本大震災における中国の援助に対する感謝を表わしたい」と述べたことを紹介した。
さらに筆者は、もし中国が政治的理由のために日本の申し出を断ったのであれば、少なくとも「3つの弊害がある」と主張した。まず1つ目は「外交上の損失」だ。筆者は人道支援に政治を持ち込むことは「外交上失礼なことだ」と批判。日中関係が悪化するなか、こうした機会を通して日中関係の改善を図ることができたはずだと主張した。
2つ目は「国際社会における国家のイメージを損ねた」こと。中国はこれまで国際関係に政治を持ち出すことに反対してきたが、今回の決定は「中国自身が政治を優先し、以前の姿勢に対する矛盾を示した」と非難。さらに中国は「外交的な柔軟性に欠けることを世界に示してしまった」と述べた。
3つ目は「救援そのものに対する損失」だ。日本は地震多発国であり、救援に関する豊富な経験を持っている。もしも日本の助けがあったならば、「中国における地震被害を減らせたかもしれない」と主張した。
中国が日本の申し出を断った理由は不明だ。2008年の四川大地震ほどの被害ではなかったこと、また、共産党が救援活動を展開することで共産党への求心力を高めることが目的だったのかも知れない。いずれにせよ、日本も中国も災害が多い国という点では共通しており、災害に遭った被災者を前に政治的問題を持ち出すことはナンセンスだ。（編集担当：畠山栄）
