日本時代の軍宿舎、芸術村に変身/台湾・台南

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(台北 20日 中央社)南部・台南市にある日本統治時代からの集合宿舎が、芸術村として新しく生まれ変わることとなった。21日にお披露目があり、23日から芸術団体の入居が始まる。

「旧日本軍台湾歩兵第二連隊集合宿舎」は日本時代の1931(昭和6)年に建てられたもので、2003年に台南市の古跡認定を受け、昨年10月に国防部から同市文化局に移管された。計18棟のうち、修復せずに使用が可能な7棟の先行開放が決まり、営利目的以外の芸術団体を対象に、まず試験的に2年間、無料で貸し出される。

入居するのは劇場やイベント関連の会社、ギャラリーなど7団体。今後2年間の創作拠点となるこの日本式家屋への入居が決まった芸術家たちは、メディアの問いかけに「一目惚れした」「歴史との暮らしは創作活動のインスピレーションをもたらす」と興奮気味に話している。

旧宿舎の通称「321通り宿舎」に合わせ、3月21日にお披露目の記者会見が開かれる。歴史的建造物を芸術利用しているケースは台湾では少なく、市では残る棟の修復作業も進め、この日本式集合宿舎一帯を活用して行きたい方針だ。

写真=今年1月、「321通り宿舎」を訪れる映画監督のアン・リー(後列右2)ら