前田健太

村田や浅尾、大島はもっと早く返すべき、マエケンは外すべきだった

2013年2月21日 9時31分

WBCを戦う28人の侍が決定しました。
当初の33人の候補者から最終選考で漏れたのは、投手では浅尾と山井の中日コンビ。
野手では村田（巨人）、大島（中日）、聖澤（楽天）となったのは、みなさんすでにご存じのとおりです。

「落選」となった５人の内、浅尾、村田、大島はそれぞれ故障が伝えられていました。
彼らの落選の理由は故障だけではなかったかもしれませんが、それなりに影響したことは間違いないでしょう。
山井はやはり17日の広島戦での乱調が痛かった。
20日の紅白戦で２安打を放った聖澤が落選したのは、山本監督が「スモールボール」を標榜していただけに残念です。
私なら同僚の松井を落としますが、ひょっとしたら日本特有の「年功序列」だったかもしれません。
松井の場合、両打ちであることに加えメジャーでの経験が評価されているとの意見もあるようですが、彼のメジャー経験より阿部、稲葉、内川らのWBC経験の方がチームには有益でしょう。

いずれにせよ、山本監督が以前から口にしていたように「落とすというのは辛い役目」です。
また選考結果の理由が、本人にとっても他のメンバーにとっても判りやすいものであることも必要です。
したがって、「故障者をメンバーから外す」というのは大事なことでしょう。

むしろ私は、浅尾、村田、大島に関しては、今日の紅白戦を待たずに早めにリリースしてあげるべきではなかったかと考えています。
それが故障の悪化の防止であり、「戦力外」の理由の明確化が彼らの実績に対するリスペクトに繋がると考えるからです。

その意味では、どうしても理解に苦しむことがあります。
彼ら同様に故障に苦しむ前田（広島）がメンバーに残ったことです。
彼の肩の状態は、想像するに相当思わしくないように思えます。

彼が広島の一員として登板した17日の試合で、侍ジャパンを無失点に押さえながら球威に欠け明らかに本調子でないことが明らかになると、いくつかのメディアで「WBCに出るべきではない」という主旨のコラムが掲載されました。
私もそう思います。しかし、その理由は「公式戦に影響が出てはいけない」からではなく、そもそも「故障している選手を、（悪化させるリスクを冒し）起用するべきではない」と考えるからです。もっと判りやすく言うとこれがWBCではなく、日本シリーズでも彼を投げさせるべきではないのです。
これが野球というゲームと選手をリスペクトするということだと思います。

正直なところ、17日にあの状態で前田に投げさせるとは、広島の野村監督は何を考えているのか？との想いに駆られます。
表面に見えた現象だけで言うと、野村監督は前田の野球選手としての可能性と生存権より、同じ広島の大先輩の山本監督への服従を重視したとしか思えません。

いや、もっと深いところまで掘り下げると、根本的な要因は「故障をおして出場することを美徳とする」日本人のスポーツに対するメンタリティかもしれません。

私も「スポ根世代」として、そのような思考回路を多少なりとももっていると自覚しています。
しかし、無理な起用により選手の今後の可能性や権利を摘むことの愚は、もっと論じられるべきだと思います。
そんなことを考えさせられた今日の選考でした。

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