引き続き岩隈の開幕シリーズ２連戦への展望について述べてみたいと思います。
今朝のスポーツ紙等の報道によると、まだ「岩隈は26日の読売戦に先発し、28日からの開幕シリーズのロースターからは外れる」という見方は強いようです。
そしてその場合、「27日に被災地石巻で行われる野球教室に参加する可能性が高い」とのことです。

もちろん、被災地への慰問は大変重要な任務ですが、もしこのような報道どおりの展開になるなら、彼は「開幕２連戦でのロングリリーフとしての戦力としてより、興業の目玉」としての存在価値の方を高く見られていることになります。
だとすると、東京ドームでの２連戦のみならず現地４月６日のアメリカ本土での開幕戦メンバーにすら残れるのかと心配になります。

仮に私がエリック・ウエッジ監督で、かつ岩隈を「ロングリリーフとして重要な戦力」と考えているなら、何よりも大切な公式戦での起用を見送ってまで、所詮エキジビションのプレシーズンゲームに先発させるようなことは決してやりません。

ここで、現時点でのマリナーズのロースター構成とＭＬＢのレギュレーションを確認しておきましょう。
今回の東京行メンバーは30人。
その全員が、読売と阪神とのプレシーズンゲームへの出場資格があります。
しかし、開幕日の28日午後１時（日本時間）には、これが28人にまで絞られます。
しかも、この28人には、米国本土での４月６日の開幕メンバーとなる25人メンバー全員を含まねばならぬため、今回の日本ツアーには参加してない先発投手５番手のケビン・ミルウッドも含まねばなりません。
ようするに28日午後１時には、「東京メンバー」から３人がカットされるのです。
これで、27人。
さらに、開幕２連戦でプレー資格があるのは25人ですから、ここから２人はベンチ入りは認められますが、出場はできません。
現在の日本国内の報道では、この２名の内の１人が26日に先発する岩隈ではないかということです。
本当に、岩隈が26日に先発するならその可能性は高いでしょう。

問題はその後です。
アスレチックスとの２連戦後、マリナーズは帰国すると再びカクタス・リーグを５試合こなしますが、ここでのロースター枠は東京時間28日午後１時時点での28人に拡大されます。
そして、４月６日の本土開幕では再度そこから25人にふるい落されるのです。

ということは、東京での開幕最終メンバー25人からさらに、ミルウッドの枠を開けるため１人がカットされるのです。
私の懸念は、もし岩隈が東京での25人に入らぬなら、そこから４月６日に25人枠に果たして残れるのか？ということです。
もちろん、東京で25人から外れた選手も、28人枠（ようするに東京での開幕２連銭でのベンチ入り）に入っている限り、その後のカクタス・リーグで猛アピールすることにより４月６日の25人入りすることは、ルール上は可能です。
しかし、それは決して容易なことではないでしょう。
繰り返しになりますが、それは単なる入れ替えのみならず「ミルウッド枠」分のパイの縮小も伴うのですから。

私がウエッジ監督なら、４月６日にメンバー入りさせたい選手を東京での25人から外すようなことはしません。
しかも、エキジビションで先発させることを理由に。
以上が、岩隈が米国本土での開幕をメジャーで迎えられるか私が心配する理由です。