韓国の複数のメディアは16日、同国政府が東京電力の原発技術者をスカウトしていると、日本の報道を引用し伝えた。福島原発事故後、日本国内では「脱原発」の動きがある一方、韓国をはじめとする東南アジアでは原発の建設が進んでいることから、日本の原発技術者の需要が高まっているという。

 韓国メディアによると、日本の原発技術者を引き抜こうとする動きは、特に韓国で強い。2011年夏には韓国政府の関係者が、東京電力の電子力部門で勤務する職員を会食に招待し、韓国の原子力関連産業への転職を勧誘した。ほかの東電職員も、韓国から転職を持ち掛けられたという。

 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は5日、中断していたトルコの原発建設交渉を再開させることで合意した。2011年12月には蔚珍(ウルジン)に新たな原発2基を建設することを発表するなど、原発推進の姿勢を示している。

 韓国の知識経済省は16日、韓国政府が東電技術者を引き抜こうとしたとの報道は「事実ではない」と否定し、「韓国政府が東京電力の技術者に転職を勧誘した事実はないものと把握している」と話した。(編集担当:新川悠)