加藤夏希(撮影:野原誠治)
 全米で今春に公開され、観客の想像を完璧なまでに裏切る鮮やかなプロットで映画ファンを騒然とさせた、衝撃のサスペンス・アクション『ミッション:8ミニッツ』。10月28日(金)の日本公開に先駆けて、女優・加藤夏希がいち早く本作を鑑賞した。列車爆破テロの犠牲者の死ぬ8分前の意識に入り込み、爆弾犯を見つけだすまで、何度となく生と死を繰り返す悪夢のミッション。「もし人生が残り8分なら?」との問いかけに、彼女が出した答えとは? 

――まずは本作を観終えて、率直な感想として如何ですか?

加藤夏希(以下、加藤):ストーリーの展開とか先が全然読めないので、主人公スティーヴンスと同じ気持ちで、彼がミッションに選ばれた理由とかを紐解いていく様子を観ながら、あっという間に時間が過ぎた印象がありますね。

――ちなみに普段は、ご自身が出演している作品の他、ジャンルや俳優・監督など、どんな映画を観ますか?

加藤:ラブコメが多いですね(笑)。ケイト・ハドソンが好きで、彼女が出る作品は絶対に観ます。作品をじっくり観るというよりも、自分の日常生活の中でその作品が流れて、バックソングになったらなという音楽感覚で観ることが多いですね。

――まず、原題でもある開発中の極秘プログラムによって、スティーヴンスを列車爆破事件の犠牲者の一人であるショーンの死ぬ8分前の意識にリンクさせ、第2の犯行を未然に防ぐという、この奇抜なアイディアについては、どう思いましたか?

加藤:SFに近いものもありますけど、あり得なくもなさそうだな、という設定でしたね。日本でも『時をかける少女』とか、タイムスリップものとかワープものがあるので、作品の設定としてすごく面白いし、アリだと思います。でも、実際に「俺、未来を変えるため過去に来たんだよ」とか言われたら、「この人は何を言っているんだろう?」ってなっちゃうし、本当にいたら付き合いにくくなりますよね(笑)。逆に「彼の目の前にいた女性のクリスティーナがその事実を知ったらどうなるんだろう?」と思います。実際に存在するショーンと、その意識に入り込んだスティーヴンスとでは、違う人間ですしね。

――外見は教師で、中身は軍人ですからね。文系と体育会系みたいな。

加藤:スティーヴンスは男性だからなのか、女性だったら絶対に嫌だと思うんですよ。でも、どうだろう? 自分よりも綺麗だったら「いいか」ってなるかも(笑)。あと、どんなに8分を繰り返しても、きっとスタートする映像は同じなはずなのに、クリスティーナの動きが徐々に変わっているのが地味に気になりました。多分、何も意識してなかったと思うんですけど、最初の距離感があった態勢から、ちょっとずつ変わっているなと。もちろん、スティーヴンスのとる行動が変わると、クリスティーナの反応も変わるんですけど。

――自分の選択によって未来が変わるというのは、映画だけでなく現実世界でも言えることですが、わずか8分で爆弾犯を見付けなければいけないという状況に置かれたら、一つのミスが命取りになりますから、責任重大ですよね。

加藤:映画として観ている分にはすごく楽しいんですけど、実際に置き換えると怖いですね。でも、自分が事件に巻き込まれて、救ってもらえる側なら嬉しいですね(笑)。

――もし加藤さんがスティーヴンスと同じ立場に置かれて、気が付いたら知らない場所にいて、鏡に写った自分の姿が別人に変わっていたり、8分間のミッションを繰り返すように指示されたら、同じような行動をとると思いますか?

加藤:最初は、全然違う行動をとると思いますね。「8分で、どこまで行けるかな?」とか(笑)。

――まさかの、逃亡ですか!?

加藤:何やってもアリじゃないですか。例えば「ラーメンは同じ味なのかな?」とか、8分で出来る色々なことに挑戦したり(笑)。ただ、現実に戻った時に「もう時間がない!」って怒られて、結局は自分が出来る範囲のことを頑張るとは思います。