現在、アメリカのメイン州バンゴーで行われている、リトルシニアのワールドシリーズ。第10回目となる記念すべき大会で、イタリアからヨーロッパ代表として参加している「フリウリ・ベネチア」が、ヨーロッパ・中東地区代表として史上初めて、準決勝進出を決めました。

 開幕戦で、テキサス州の「ローズ・キャピタル(米西部代表)」に2‐11で敗れたベネチアですが、そこから見事3連勝。ホストチーム「ブリュワー」相手に7‐6で初勝利を挙げると、続くカナダ代表の「ノートルダム・デ・グレース(モントリオール)」に13‐7で快勝。そして最終戦でメリーランド州の「タルボット・カウンティ(米東部代表)」を9‐8で振り切って、通算3勝1敗でベスト4進出を決めました。

 ベネチアの最大の武器は、4試合で31得点を挙げた強力打線と、ブルペンの層の厚さ。点数自体は結構取られているんですが、これはおそらく試合の序盤にとられたもの。先発陣の失点を打線がカバーし、リリーフ陣が後を封じて逃げ切るというのが、今大会でのベネチアの戦い方のようです。

 ベネチアの準決勝での相手は、ハワイ州からやってきた「ヒロ」。19日に行われた試合では、残念ながら0‐10で5回コールド負けを喫してしまいましたが、唯一準決勝への進出がなかったという、同地区の汚名を返上してみせたという点では、見事な戦いだったのではないでしょうか。なお、ベネチアを破ったヒロは、翌日の決勝でもローズ・キャピタル相手に、11‐1で5回コールド勝ちを収め、無敗のまま2度目の王座に輝いています(これまた、大会史上初の出来事だとか)。

 成人レベルの大会でないとはいえ、ヨーロッパ野球史に残る偉業を見事達成した、フリウリ・ベネチアの選手たち。この中から、およそ10年後には次の球界を盛り上げるようなヒーローが、1人でも多く誕生していてほしいですね。イタリア球界の将来が楽しみです。