2011年5月1日、千葉・幕張メッセで行われたAKB48の握手会で、福岡に「HKT48」が発足することが報告された。これは東京、名古屋、大阪に次ぐ4都市目となる。2010年秋には、将来的に「上海48」が結成されることが発表されているという。

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中国の音楽・アイドル業界 第5回

(1)「上海48」は結成されるのか

 2011年5月1日、千葉・幕張メッセで行われたAKB48の握手会で、福岡に「HKT48」が発足することが報告された。これは東京、名古屋、大阪に次ぐ4都市目となる。

 AKB48は海外でも人気が高まりつつあるうえに、秋元康氏が「AKB48」のビジネスモデル(フォーマット)を海外でも展開する構想を持っていることから、海外での「会いに行けるアイドル」の誕生が期待される。

 2010年秋には、将来的に「上海48」が結成されることが発表されているという。現在のところまだ結成はされていないが、中国のBBS上ではファンの間で話題となっている。

(2)果たしてニーズはあるのか、中国版「会いに行けるアイドル」

 では、中国のファンたちは、AKB48に対し、どのような期待を持っているのだろうか。

 サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が2011年5月に中国全土の3000人を対象に、AKB48についてインターネット調査を実施。AKB48を知っていて、なおかつ「AKB48が好き」と回答した人は3000人中128人(そのうち、「もの凄く好き」が47人、「まあまあ好き」が81人)であった。

 その128人に対し、「AKB48に期待することは?」と質問したところ、「中国語の曲を出してほしい」が最も多く、84人(65.6%)。次いで、「もっと中国に来て、コンサートを行ってほしい」が77人(60.2%)、「中国のバラエティー番組に出てほしい」が72人(56.3%)だった。

 実は、「中国語の曲を出すこと」や「中国のバラエティー番組に出ること」は、韓流タレントが中国に進出する際に頻繁に行っていることだ。韓国は国をあげてコンテンツ振興策を打ち出しており、中国進出も積極的にチャレンジしているが、その結果、中国における韓国タレントの人気は急速に高まり、その人気は長期間維持されている。

 韓流タレントが中国で行っているこれらの行動は、ひとつの成功パターンであるといえるが、中国人消費者はAKB48も同じ行動をとることを期待している。

 AKB48に対して中国人ファンが期待することとしては、その他にも「中国向けの情報を増やしてほしい」や「正規のグッズを中国でも販売してほしい」が50%を超えた。

 「メンバーが全て中国人の『中国48』を作ってほしい」との回答は57人(44.5%)。「会いに行けるアイドル」は、中国の消費者にとっては全く未知の存在だろう。それゆえか、ニーズは他に比べると若干小さくなった。しかし、もし実際に中国版「会いに行けるアイドル」が誕生すれば、それは2005年頃の『超級女声』以来の革新的な出来事となりそうだ。

 『超級女声』は2004年から中国・湖南衛星テレビで放送されたオーディション番組。2005年大会ではクリス・リー(李宇春)やジェーン・チャン(張〓穎)といった一線級のスターが生まれた。(〓は左が青、右が見)(編集担当:森川慎一郎・サーチナ総合研究所研究員)



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