Ｊ２ 千葉×大分
今季のＪ２は計２０クラブ。
全て見たいけど無理かもしれないな…。
まだちょうど半分しか見ていません。
今日は大分が来るからフクアリに行こう。
千葉は前節終了時点で首位。
７試合を終えて５勝１分１敗である。
勝点１６だから順調なスタートに違いない。
今思うと４月２４日のＦＣ東京戦が大きかった。
両クラブの「分岐点」だったのかもしれない。
千葉は「勝点３以上」のインパクトを手に入れた。
チームがキャラ立ちする、恐怖感を与えるのは大事です。
そういえばオーロイがサカマガの表紙を飾っていましたね（笑）
大分は経営難で人材の維持が難しい。
今季も金甫�堯�東慶悟、藤田義明、高松大樹と主力が抜けた。
ただそれは下部リーグの宿命。
「新陳代謝」が良くなるメリットもある。
今季は田坂和昭氏が新監督に就任した。
清水では参謀として長谷川健太監督を支えた。
３９才の采配にもちょっと注目したい。
現在２勝３分２敗。勝点９で１０位に位置している。
ジェフ千葉
−−−−−−オーロイ−−−−−−
−−深井−−−米倉−−−伊藤−−
−−−-ゲッセル−-佐藤勇−−−−
−青木良−ミリガン−竹内−山口−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−岡本−−−−−−−
大分トリニータ
−−−−−−−森島−−−−−−−
−-崔正漢−土岐田−-西-−前田-−
−−−−−−−宮沢−−−−−−−
−安川−−阪田−−作田−−池田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−清水−−−−−−−
１分、千葉は深井正樹が左サイドから折り返す。
オーロイがＤＦに身体をねじ込んでヘッド。ＧＫの正面だった。
テレビ原稿的には「挨拶代わりのシュート」かな？
オーロイは本日も健在だ。
大分のＤＦ対応は「想定の範囲内」である。
ラインを高く張り、細かく上下させていた。
ゴールから遠ざければ遠ざけるほど、ヘッドの脅威は減じられる。
小刻みなオフサイドトラップで、ＦＷの位置取りは面倒になる。
「高さ対策」の常道に違いない。
ハイボールが来たらまずオーロイに寄せて邪魔をする。
主に作田裕次が競る役目だけど、ダブルチーム的な対応も多い。
他のＤＦは背後のスペースを警戒する。
この対策を９０分続けるのはかなり大変だ。
ただ大分は「できることをやる」しかない。
８分、大分は森島康仁が右サイドから後ろに下げる。
池田達哉が縦にフィードを入れる。
前田俊介は右サイドの深い位置でボールを受けた。
ドリブルでマークを剥がしてエリア右まで切れ込む。
左足を振るとＧＫの腕がぎりぎりで届かぬ絶妙の軌道…。
奥のゴールネットをふわっと揺らした！
＜大分トリニータ １−０ ジェフ千葉＞
序盤は千葉がずっと攻めていた。
大分が初のチャンスでいきなり先制する。
前田俊介に驚愕した。
ちょっと痩せたし、身体が切れている。
しかもちゃんと守備をする！
こういうと失礼だけど、彼はもう「諦めて」いた。
去年もＦＣ東京で戦力になれていなかった。
でも今日は序盤から「おっ」というプレーを連発する。
１３分、千葉は相手ＤＦのパス回しに連動したフォアチェック。
深井正樹は作田裕次からボールを奪う。
深井が左サイドから左足でマイナスの折り返し。
米倉恒貴はニアから左足ボレーを狙ったけど弱い。
１３分、千葉は山口慶が右サイドからクロス。
オーロイは飛び込んだけど合わない。しかしいい囮になった。
深井正樹がファーからヘッドを合わせる。枠外。
１４分、大分は前田俊介が青木良太からボールを奪う。
西弘則がフォローして自陣から一気にドリブル。右にボールを叩く。
森島康仁はエリア右からシュート。枠上。
１６分、千葉はミリガンがいい出足で縦パスを潰す。
ゲッセルがサポートして左サイドから折り返す。
オーロイはヘッドに競り勝って左に落とす。
米倉恒貴が走り込んでダイビングヘッドを狙った。枠上。
短時間に試合が激しく動いた。
ただ千葉は再三の決定機にも関らず追いつけない。
流れに乗れず、大分を「落ち着かせて」しまう。
２９分、大分は崔正漢に警告。
３７分、千葉は深井正樹が左サイドから斜めに当てる。
オーロイがエリア左に落とす。
米倉恒貴はスペースに抜け出して切り返す。
マークを剥がして右足シュートを狙った。しかし枠外。
４１分、大分は宮沢正史がＤＦの背後に浮き球フィード。
土岐田洸平がエリア右に抜け出す。
土岐田は少しキープしてボールを下げた。
崔正漢の右足ミドルはＧＫがブロック。
最後は森島康仁がゴール左に詰めてこぼれ球を押し込んだ。
＜大分トリニータ ２−０ ジェフ千葉＞
これもＤＦの「隙」だった。
まず簡単に背後を取られ過ぎた。
シュートを打つ選手へのチェックも甘い。
千葉は攻めている時の「リスク管理」が課題だ。
ただフクアリは「２点ビハインド」の割に悲壮感がない。
「追い込まれた空気」を感じない。
後ろのお客さんが「３点は難しいな…」とぼやいていた。
でもこれはネガティブなようでポジティブな発言だ。
「勝つ前提」で試合展開を考えている証明である。
不調のチームならこれが「２点取らないと」だろう。
ＳＡ席から審判に文句を言う例のお兄さんも控え目だ（笑）
ここまでの戦いがサポーターの「自信」になっている。
４３分、千葉は伊藤大介に警告。
安川有に危険なタックル。
大分が効率よく得点して前半終了。
千葉は０−２でハーフタイムを迎える。
５２分、千葉はファン・ゲッセルに警告。
前田俊介の突破を引っ掛けた。
５５分、千葉は青木良太が中盤からＦＫを入れる。
オーロイがエリアの少し外で浮き球を競る。
ヘッドは合わなかったけどボールが弾んでエリア左に落ちる。
伊藤大介がセカンドを拾って仕掛ける。
崔正漢、作田裕次が寄せて潰しに行く。
場内から「ＰＫだろう？」というリアクションが出るけど笛はない。
５７分、千葉は青木良太に警告。
西弘則の抜け出しに対する対応。
千葉的には「不利な判定」が続く。
フクアリの雰囲気が悪くなった。
千葉は戦い方を少し変えていた。
早いタイミングで前線に蹴ってくる。
深井正樹の抜け出し、オーロイの頭を狙う「一発パス」が増えた。
ただ思うようにチャンスを作れない。
ドワイト・ローデヴェーヘス監督が動く。
６３分、千葉は青木良太→久保裕一。
久保は明治大から加入した新人ＦＷ。
一方で青木はＤＦの選手である。
攻撃の枚数を増やす交代は常道に違いない。
しかし選手の並びを見て驚いた。
千葉の布陣がこうなる↓
−−−−オーロイ-−久保-−−−−
−深井−−−−−−−−−−米倉−
−−-伊藤−-ゲッセル−佐藤勇−−
−−ミリガン−-竹内-−−山口−−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−岡本−−−−−−−
ＤＦラインを見ると３枚しかいない。
ゲッセルがアンカー気味に後ろを見ていた。
なるほどアヤックス式の３-４-３か…。
と思って前を見るとオーロイと久保は横並びだ。
しかも米倉恒貴、深井正樹が前線に張り付いている。
「３-３-４」に相当するフォーメーションだった。
サッカーはバランスのスポーツである。
極端なことをやると普通は上手く行かない。
でも今日はこの采配が効いた。
大分は今までオーロイ１人をマークすればよかった。
しかし前線の人数が多くなってマークが混乱。
ゴール前で競る相手が増えて、外にもアタッカーがいる。
大分は大混乱の後手後手で、守備が「モグラ叩き」状態だ。
「コンパクトなプレス」「ラインの上下」はぶっ壊れる。
中盤、前線も後ろに引っ張られてカウンターができない。
千葉が前線で押し込み、セカンドボールも支配。
絵に描いたような攻勢となる。
６６分、千葉は竹内彬が前線にロングフィード。
オーロイのヘッドは合わないが、ＤＦのクリアも弱い。
オーロイがセカンドボールに競り勝ってエリア内に落とす。
大分ＤＦはこれも跳ね返すけど拾えない。
ゲッセルがセカンドを拾って、伊藤大介は左に叩く。
深井正樹はエリア左から左足シュートを狙う。ＤＦに当たって外。
６７分、千葉は左ＣＫを伊藤大介が右足で入れる。
ゲッセルはニアでヘッドを摺らす。
竹内彬がファーに飛び込んでダイレクトボレーを叩き込んだ。
＜大分トリニータ ２−１ ジェフ千葉＞
試合の残りは２８分。
追いつく、追い越す時間が十分にある。
７０分、千葉は米倉恒貴が右サイドで崔正漢にプレス。
佐藤勇人がセカンドを拾って縦に叩く。
久保裕一は右に落とす。
米倉がエリア右で鋭く切り返す。
マークを剥がして左足で折り返した。
オーロイがヘッドを合わせたけど枠外。
７３分、千葉は伊藤大介が右ＣＫを右足で入れる。
ＧＫ清水圭介のパンチングが小さく低い。
深井正樹がエリア外でセカンドボールを拾う。
浮き球をワントラップして左足を振り抜く。
これがグーンと伸びてゴール右上に突き刺さった！
＜ジェフ千葉 ２−２ 大分トリニータ＞
距離が約２５ｍ。弾丸ミドルでした。
千葉は同点に追いついても「３-３-４」を崩さない。
あくまでも攻め倒す構えである。
７６分、千葉はミリガンが左からスローイン。
エリア内を投げると見せて縦に投げる。
深井正樹が抜け出して左足で折り返す。
ＤＦはヘッドで跳ね返すけど小さい。
伊藤大介がセカンドを拾って左に落とす。
ゲッセルはダイレクトでエリア内に折り返す。
森島康仁のクリアはゴール方向で危険だった。
しかしぎりぎりで枠の上。
７７分、千葉はＣＫの跳ね返しを拾って波状攻撃。
佐藤勇人が右サイドから折り返す。
オーロイはファーでヘッドを合わせるけど枠に届かない。
しかし大分ＤＦのクリアがやっぱり小さい。
竹内彬がセカンドを拾ってシュートを狙う。これは弱い。
大分ＤＦは「無間地獄」に陥っていた。
クロスが来るから跳ね返す。
しかしセカンドを拾われてまた入れられる。
こういう対応は心身ともに消耗が大きい。
２００６年６月のオーストラリア戦を思い出すな…。
７７分、大分は崔正漢→刀根亮輔。
刀根はそのまま左ウイングの位置。
８０分、千葉は正面３０ｍほどの位置でＦＫを得る。
伊藤大介が右足で直接狙って枠の左上を捉えた。
ＧＫ清水圭介が横っ飛びでよくブロック。
８１分、千葉はＣＫから波状攻撃。
ゲッセルが左サイドで森島康仁の突破をブロック。
竹内彬はこぼれ球をワンタッチで外に落とす。
深井正樹が左大外に抜け出して左足で折り返す。
最後は竹内彬がゴール正面に飛び込んでボレーを押し込んだ！
＜ジェフ千葉 ３−２ 大分トリニータ＞
竹内は今日２ゴール目。３戦連続得点である。
名古屋で５シーズンプレーして無得点だったのに！
この場面はゴール前に３人詰めていた。
ニアに久保裕一、ファーにオーロイがいる。
しかも直前に久保と竹内がＸ字に交差していた。
「３人目」の竹内を捕まえるのは至難の技である。
千葉のパワープレーは１８分で終了。
ゲッセルが最終ラインに下がった。
４-４-２の布陣に修正する↓
−−−-オーロイ-−−−久保−−−−
−−深井−−−−−−−−−米倉−−
−−−−−-伊藤−−佐藤勇-−−−−
−ミリガン−ゲッセル−竹内−山口−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−-岡本-−−−−−−−
８２分、大分は前田俊介→長谷川博一。
大分の布陣がこう↓
−−−−−−−森島−−−−−−−
−-刀根−−西−土岐田-−長谷川−
−−−−−−−宮沢−−−−−−−
−安川−−阪田−−作田−−池田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−清水−−−−−−−
８３分、千葉は佐藤勇人が中盤で相手の突破をブロック。
深井正樹がサポートして自陣からボールを運びラストパス。
久保裕一はエリア右から右足シュートを狙った。
ＧＫ清水圭介がブロックして外。
８７分、大分は土岐田洸平→李東明。
大分の最終布陣がこう↓
−−−−-李-−−−−森島−−−−
−−刀根−−−−−−−−-西-−−
−−−−−宮沢−-長谷川-−−−−
−安川−−阪田−−作田−−池田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−清水−−−−−−−
アディショナルタイムの提示は３分。
９１分、千葉は佐藤勇人が相手のクリアを前線に戻す。
米倉恒貴がセカンドをエリア内に仕掛ける。
米倉は右足でふわっと折り返した。
オーロイがヘッドを合わせたけどわずかに届かない。
試合は３-２でタイムアップ。
千葉が２点のビハインドを跳ね返して大分を下した。
改めて「今年の千葉は来るな」と思った。
何しろ攻撃もに迷いがない。
ボールを持ったらサイドに開けばいい。
スペースがあれば切れ込んで打つ。
打てなければオーロイに合わせる。
オーロイが合わなければ「セカンド」を使う。
そういう具合にプレーが迷いなく続く。
サッカー自体はオーソドックスだけど、
オーロイという「求心力」がある。
ちょっと乱れても、バラバラにならず収まる。
彼がいることで整理整頓が楽になる。
だからリードされても崩れない。今日のような試合ができる。
結果が出ることで更に自信が強まる。「好循環」が見て取れた。
大分も悪くないと思った。
いいと思ったのは選手のコンディションだ。
前田俊介、森島康仁がちゃんと走れる。
どちらも才能は代表級だけど自己管理が…という選手だ。
この２人が動けるのは、
チームがいいトレーニングをしている証拠。
田坂和昭監督、スタッフの「育成手腕」は期待できそうだ。
党首的採点
ジェフ千葉
ＧＫ １ 岡本昌弘 5.5 守備組織の構築に甘さ。
ＤＦ １３ 山口慶 6.0 危機察知、ボール奪取が素晴らしい。
３ 竹内彬 7.0 キャラ的にも人気が出そう。
５ ミリガン 6.0 雨が苦手（スローイン的に）
４ 青木良太 5.0 浮き足立って深刻なミスを連発。
→（６３分）２２ 久保裕一 6.5 激しい飛び出し、仕掛けで流れ変える。
ＭＦ ７ 佐藤勇人 6.0 セカンドをこつこつ拾って攻勢の下支え。
６ ゲッセル 6.0 裏のカバーが弱いけど、前を向くと生きる。
２０ 伊藤大介 6.0 局面の打開が物足りない。キックは◎。
１１ 米倉恒貴 6.0 後半は相手の混乱を突いていい突破。
９ 深井正樹 7.0 フォアチェック、突っ掛けでチームに勢い。
ＦＷ ８ オーロイ 6.0 直接手は下してないけど、コイツが主犯格。
大分トリニータ
ＧＫ １清水圭介 5.0 パンチングが怪しい。
ＤＦ２６池田竜哉 5.0 ぎりぎりで守っていたけど終盤に崩壊。
４作田裕次 5.5 オーロイへの抵抗は賞賛できる。
２５阪田章裕 5.0 跳ね返しが弱く、波状攻撃を招く。
３６安川有 5.0 スペースに釣り出されると厳しい。
ＭＦ３２宮沢正史 5.0 終盤はＤＦに吸収されて存在価値が消えた。
６土岐田洸平 5.0 配球、潰しと物足りない。
→（８７分）１８ 李東明 採点なし。
８西弘則 6.0 配球、抜け出しと印象的なプレー。
ＦＷ１９前田俊介 6.5 今日の出来は嬉しい驚き。
→（８２分）１９ 長谷川博一 採点なし。
２０森島康仁 6.0 切れを取り戻してＤＦを振り切る場面も。
１１崔正漢 5.0 持ち味出せず。バランスを意識しすぎた？
→（７７分）２１ 刀根亮輔 採点なし。
ジェフ千葉 ３−２ 大分トリニータ
フクダ電子アリーナ ７，２１６人
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全て見たいけど無理かもしれないな…。
まだちょうど半分しか見ていません。
今日は大分が来るからフクアリに行こう。
千葉は前節終了時点で首位。
７試合を終えて５勝１分１敗である。
勝点１６だから順調なスタートに違いない。
今思うと４月２４日のＦＣ東京戦が大きかった。
両クラブの「分岐点」だったのかもしれない。
千葉は「勝点３以上」のインパクトを手に入れた。
チームがキャラ立ちする、恐怖感を与えるのは大事です。
そういえばオーロイがサカマガの表紙を飾っていましたね（笑）
今季も金甫�堯�東慶悟、藤田義明、高松大樹と主力が抜けた。
ただそれは下部リーグの宿命。
「新陳代謝」が良くなるメリットもある。
今季は田坂和昭氏が新監督に就任した。
清水では参謀として長谷川健太監督を支えた。
３９才の采配にもちょっと注目したい。
現在２勝３分２敗。勝点９で１０位に位置している。
ジェフ千葉
−−−−−−オーロイ−−−−−−
−−深井−−−米倉−−−伊藤−−
−−−-ゲッセル−-佐藤勇−−−−
−青木良−ミリガン−竹内−山口−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−岡本−−−−−−−
大分トリニータ
−−−−−−−森島−−−−−−−
−-崔正漢−土岐田−-西-−前田-−
−−−−−−−宮沢−−−−−−−
−安川−−阪田−−作田−−池田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−清水−−−−−−−
１分、千葉は深井正樹が左サイドから折り返す。
オーロイがＤＦに身体をねじ込んでヘッド。ＧＫの正面だった。
テレビ原稿的には「挨拶代わりのシュート」かな？
オーロイは本日も健在だ。
大分のＤＦ対応は「想定の範囲内」である。
ラインを高く張り、細かく上下させていた。
ゴールから遠ざければ遠ざけるほど、ヘッドの脅威は減じられる。
小刻みなオフサイドトラップで、ＦＷの位置取りは面倒になる。
「高さ対策」の常道に違いない。
ハイボールが来たらまずオーロイに寄せて邪魔をする。
主に作田裕次が競る役目だけど、ダブルチーム的な対応も多い。
他のＤＦは背後のスペースを警戒する。
この対策を９０分続けるのはかなり大変だ。
ただ大分は「できることをやる」しかない。
８分、大分は森島康仁が右サイドから後ろに下げる。
池田達哉が縦にフィードを入れる。
前田俊介は右サイドの深い位置でボールを受けた。
ドリブルでマークを剥がしてエリア右まで切れ込む。
左足を振るとＧＫの腕がぎりぎりで届かぬ絶妙の軌道…。
奥のゴールネットをふわっと揺らした！
＜大分トリニータ １−０ ジェフ千葉＞
序盤は千葉がずっと攻めていた。
大分が初のチャンスでいきなり先制する。
前田俊介に驚愕した。
ちょっと痩せたし、身体が切れている。
しかもちゃんと守備をする！
こういうと失礼だけど、彼はもう「諦めて」いた。
去年もＦＣ東京で戦力になれていなかった。
でも今日は序盤から「おっ」というプレーを連発する。
１３分、千葉は相手ＤＦのパス回しに連動したフォアチェック。
深井正樹は作田裕次からボールを奪う。
深井が左サイドから左足でマイナスの折り返し。
米倉恒貴はニアから左足ボレーを狙ったけど弱い。
１３分、千葉は山口慶が右サイドからクロス。
オーロイは飛び込んだけど合わない。しかしいい囮になった。
深井正樹がファーからヘッドを合わせる。枠外。
１４分、大分は前田俊介が青木良太からボールを奪う。
西弘則がフォローして自陣から一気にドリブル。右にボールを叩く。
森島康仁はエリア右からシュート。枠上。
１６分、千葉はミリガンがいい出足で縦パスを潰す。
ゲッセルがサポートして左サイドから折り返す。
オーロイはヘッドに競り勝って左に落とす。
米倉恒貴が走り込んでダイビングヘッドを狙った。枠上。
短時間に試合が激しく動いた。
ただ千葉は再三の決定機にも関らず追いつけない。
流れに乗れず、大分を「落ち着かせて」しまう。
２９分、大分は崔正漢に警告。
３７分、千葉は深井正樹が左サイドから斜めに当てる。
オーロイがエリア左に落とす。
米倉恒貴はスペースに抜け出して切り返す。
マークを剥がして右足シュートを狙った。しかし枠外。
４１分、大分は宮沢正史がＤＦの背後に浮き球フィード。
土岐田洸平がエリア右に抜け出す。
土岐田は少しキープしてボールを下げた。
崔正漢の右足ミドルはＧＫがブロック。
最後は森島康仁がゴール左に詰めてこぼれ球を押し込んだ。
＜大分トリニータ ２−０ ジェフ千葉＞
これもＤＦの「隙」だった。
まず簡単に背後を取られ過ぎた。
シュートを打つ選手へのチェックも甘い。
千葉は攻めている時の「リスク管理」が課題だ。
ただフクアリは「２点ビハインド」の割に悲壮感がない。
「追い込まれた空気」を感じない。
後ろのお客さんが「３点は難しいな…」とぼやいていた。
でもこれはネガティブなようでポジティブな発言だ。
「勝つ前提」で試合展開を考えている証明である。
不調のチームならこれが「２点取らないと」だろう。
ＳＡ席から審判に文句を言う例のお兄さんも控え目だ（笑）
ここまでの戦いがサポーターの「自信」になっている。
４３分、千葉は伊藤大介に警告。
安川有に危険なタックル。
大分が効率よく得点して前半終了。
千葉は０−２でハーフタイムを迎える。
５２分、千葉はファン・ゲッセルに警告。
前田俊介の突破を引っ掛けた。
５５分、千葉は青木良太が中盤からＦＫを入れる。
オーロイがエリアの少し外で浮き球を競る。
ヘッドは合わなかったけどボールが弾んでエリア左に落ちる。
伊藤大介がセカンドを拾って仕掛ける。
崔正漢、作田裕次が寄せて潰しに行く。
場内から「ＰＫだろう？」というリアクションが出るけど笛はない。
５７分、千葉は青木良太に警告。
西弘則の抜け出しに対する対応。
千葉的には「不利な判定」が続く。
フクアリの雰囲気が悪くなった。
千葉は戦い方を少し変えていた。
早いタイミングで前線に蹴ってくる。
深井正樹の抜け出し、オーロイの頭を狙う「一発パス」が増えた。
ただ思うようにチャンスを作れない。
ドワイト・ローデヴェーヘス監督が動く。
６３分、千葉は青木良太→久保裕一。
久保は明治大から加入した新人ＦＷ。
一方で青木はＤＦの選手である。
攻撃の枚数を増やす交代は常道に違いない。
しかし選手の並びを見て驚いた。
千葉の布陣がこうなる↓
−−−−オーロイ-−久保-−−−−
−深井−−−−−−−−−−米倉−
−−-伊藤−-ゲッセル−佐藤勇−−
−−ミリガン−-竹内-−−山口−−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−岡本−−−−−−−
ＤＦラインを見ると３枚しかいない。
ゲッセルがアンカー気味に後ろを見ていた。
なるほどアヤックス式の３-４-３か…。
と思って前を見るとオーロイと久保は横並びだ。
しかも米倉恒貴、深井正樹が前線に張り付いている。
「３-３-４」に相当するフォーメーションだった。
サッカーはバランスのスポーツである。
極端なことをやると普通は上手く行かない。
でも今日はこの采配が効いた。
大分は今までオーロイ１人をマークすればよかった。
しかし前線の人数が多くなってマークが混乱。
ゴール前で競る相手が増えて、外にもアタッカーがいる。
大分は大混乱の後手後手で、守備が「モグラ叩き」状態だ。
「コンパクトなプレス」「ラインの上下」はぶっ壊れる。
中盤、前線も後ろに引っ張られてカウンターができない。
千葉が前線で押し込み、セカンドボールも支配。
絵に描いたような攻勢となる。
６６分、千葉は竹内彬が前線にロングフィード。
オーロイのヘッドは合わないが、ＤＦのクリアも弱い。
オーロイがセカンドボールに競り勝ってエリア内に落とす。
大分ＤＦはこれも跳ね返すけど拾えない。
ゲッセルがセカンドを拾って、伊藤大介は左に叩く。
深井正樹はエリア左から左足シュートを狙う。ＤＦに当たって外。
６７分、千葉は左ＣＫを伊藤大介が右足で入れる。
ゲッセルはニアでヘッドを摺らす。
竹内彬がファーに飛び込んでダイレクトボレーを叩き込んだ。
＜大分トリニータ ２−１ ジェフ千葉＞
試合の残りは２８分。
追いつく、追い越す時間が十分にある。
７０分、千葉は米倉恒貴が右サイドで崔正漢にプレス。
佐藤勇人がセカンドを拾って縦に叩く。
久保裕一は右に落とす。
米倉がエリア右で鋭く切り返す。
マークを剥がして左足で折り返した。
オーロイがヘッドを合わせたけど枠外。
７３分、千葉は伊藤大介が右ＣＫを右足で入れる。
ＧＫ清水圭介のパンチングが小さく低い。
深井正樹がエリア外でセカンドボールを拾う。
浮き球をワントラップして左足を振り抜く。
これがグーンと伸びてゴール右上に突き刺さった！
＜ジェフ千葉 ２−２ 大分トリニータ＞
距離が約２５ｍ。弾丸ミドルでした。
千葉は同点に追いついても「３-３-４」を崩さない。
あくまでも攻め倒す構えである。
７６分、千葉はミリガンが左からスローイン。
エリア内を投げると見せて縦に投げる。
深井正樹が抜け出して左足で折り返す。
ＤＦはヘッドで跳ね返すけど小さい。
伊藤大介がセカンドを拾って左に落とす。
ゲッセルはダイレクトでエリア内に折り返す。
森島康仁のクリアはゴール方向で危険だった。
しかしぎりぎりで枠の上。
７７分、千葉はＣＫの跳ね返しを拾って波状攻撃。
佐藤勇人が右サイドから折り返す。
オーロイはファーでヘッドを合わせるけど枠に届かない。
しかし大分ＤＦのクリアがやっぱり小さい。
竹内彬がセカンドを拾ってシュートを狙う。これは弱い。
大分ＤＦは「無間地獄」に陥っていた。
クロスが来るから跳ね返す。
しかしセカンドを拾われてまた入れられる。
こういう対応は心身ともに消耗が大きい。
２００６年６月のオーストラリア戦を思い出すな…。
７７分、大分は崔正漢→刀根亮輔。
刀根はそのまま左ウイングの位置。
８０分、千葉は正面３０ｍほどの位置でＦＫを得る。
伊藤大介が右足で直接狙って枠の左上を捉えた。
ＧＫ清水圭介が横っ飛びでよくブロック。
８１分、千葉はＣＫから波状攻撃。
ゲッセルが左サイドで森島康仁の突破をブロック。
竹内彬はこぼれ球をワンタッチで外に落とす。
深井正樹が左大外に抜け出して左足で折り返す。
最後は竹内彬がゴール正面に飛び込んでボレーを押し込んだ！
＜ジェフ千葉 ３−２ 大分トリニータ＞
竹内は今日２ゴール目。３戦連続得点である。
名古屋で５シーズンプレーして無得点だったのに！
この場面はゴール前に３人詰めていた。
ニアに久保裕一、ファーにオーロイがいる。
しかも直前に久保と竹内がＸ字に交差していた。
「３人目」の竹内を捕まえるのは至難の技である。
千葉のパワープレーは１８分で終了。
ゲッセルが最終ラインに下がった。
４-４-２の布陣に修正する↓
−−−-オーロイ-−−−久保−−−−
−−深井−−−−−−−−−米倉−−
−−−−−-伊藤−−佐藤勇-−−−−
−ミリガン−ゲッセル−竹内−山口−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−-岡本-−−−−−−−
８２分、大分は前田俊介→長谷川博一。
大分の布陣がこう↓
−−−−−−−森島−−−−−−−
−-刀根−−西−土岐田-−長谷川−
−−−−−−−宮沢−−−−−−−
−安川−−阪田−−作田−−池田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−清水−−−−−−−
８３分、千葉は佐藤勇人が中盤で相手の突破をブロック。
深井正樹がサポートして自陣からボールを運びラストパス。
久保裕一はエリア右から右足シュートを狙った。
ＧＫ清水圭介がブロックして外。
８７分、大分は土岐田洸平→李東明。
大分の最終布陣がこう↓
−−−−-李-−−−−森島−−−−
−−刀根−−−−−−−−-西-−−
−−−−−宮沢−-長谷川-−−−−
−安川−−阪田−−作田−−池田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−清水−−−−−−−
アディショナルタイムの提示は３分。
９１分、千葉は佐藤勇人が相手のクリアを前線に戻す。
米倉恒貴がセカンドをエリア内に仕掛ける。
米倉は右足でふわっと折り返した。
オーロイがヘッドを合わせたけどわずかに届かない。
試合は３-２でタイムアップ。
千葉が２点のビハインドを跳ね返して大分を下した。
改めて「今年の千葉は来るな」と思った。
何しろ攻撃もに迷いがない。
ボールを持ったらサイドに開けばいい。
スペースがあれば切れ込んで打つ。
打てなければオーロイに合わせる。
オーロイが合わなければ「セカンド」を使う。
そういう具合にプレーが迷いなく続く。
サッカー自体はオーソドックスだけど、
オーロイという「求心力」がある。
ちょっと乱れても、バラバラにならず収まる。
彼がいることで整理整頓が楽になる。
だからリードされても崩れない。今日のような試合ができる。
結果が出ることで更に自信が強まる。「好循環」が見て取れた。
大分も悪くないと思った。
いいと思ったのは選手のコンディションだ。
前田俊介、森島康仁がちゃんと走れる。
どちらも才能は代表級だけど自己管理が…という選手だ。
この２人が動けるのは、
チームがいいトレーニングをしている証拠。
田坂和昭監督、スタッフの「育成手腕」は期待できそうだ。
党首的採点
ジェフ千葉
ＧＫ １ 岡本昌弘 5.5 守備組織の構築に甘さ。
ＤＦ １３ 山口慶 6.0 危機察知、ボール奪取が素晴らしい。
３ 竹内彬 7.0 キャラ的にも人気が出そう。
５ ミリガン 6.0 雨が苦手（スローイン的に）
４ 青木良太 5.0 浮き足立って深刻なミスを連発。
→（６３分）２２ 久保裕一 6.5 激しい飛び出し、仕掛けで流れ変える。
ＭＦ ７ 佐藤勇人 6.0 セカンドをこつこつ拾って攻勢の下支え。
６ ゲッセル 6.0 裏のカバーが弱いけど、前を向くと生きる。
２０ 伊藤大介 6.0 局面の打開が物足りない。キックは◎。
１１ 米倉恒貴 6.0 後半は相手の混乱を突いていい突破。
９ 深井正樹 7.0 フォアチェック、突っ掛けでチームに勢い。
ＦＷ ８ オーロイ 6.0 直接手は下してないけど、コイツが主犯格。
大分トリニータ
ＧＫ １清水圭介 5.0 パンチングが怪しい。
ＤＦ２６池田竜哉 5.0 ぎりぎりで守っていたけど終盤に崩壊。
４作田裕次 5.5 オーロイへの抵抗は賞賛できる。
２５阪田章裕 5.0 跳ね返しが弱く、波状攻撃を招く。
３６安川有 5.0 スペースに釣り出されると厳しい。
ＭＦ３２宮沢正史 5.0 終盤はＤＦに吸収されて存在価値が消えた。
６土岐田洸平 5.0 配球、潰しと物足りない。
→（８７分）１８ 李東明 採点なし。
８西弘則 6.0 配球、抜け出しと印象的なプレー。
ＦＷ１９前田俊介 6.5 今日の出来は嬉しい驚き。
→（８２分）１９ 長谷川博一 採点なし。
２０森島康仁 6.0 切れを取り戻してＤＦを振り切る場面も。
１１崔正漢 5.0 持ち味出せず。バランスを意識しすぎた？
→（７７分）２１ 刀根亮輔 採点なし。
ジェフ千葉 ３−２ 大分トリニータ
フクダ電子アリーナ ７，２１６人
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大学サッカーまで取材をこなす新鋭ライター
