中国国家衛生部のデータによると、2010年の中国国内でのエイズ発病者数は15892人で死者は7743人だった。08年より3年連続で最も多くの死者を出した伝染病となったエイズのまん延状況について、専門家が原因を分析した。中国新聞網が伝えた。

 エイズの専門家で中国CDC性病・エイズ予防コントロールセンター主任の呉尊友教授は16日に中国新聞社の取材を受けた。エイズ死者数が急増している主な原因として、多くのエイズウイルス感染者が発病期に差し掛かっていること、社会的な差別を恐れて検査を行わずに隠している感染者が多いことを挙げ、ここ5年間の死者のうち80%が抗ウイルス治療を受けなかったことを紹介した。

 呉教授によると、エイズによる死者数の分布はエイズ感染例の多い地域に分布しており、この5年間で死亡者数が増加した省は16にのぼるという。呉教授はエイズによる死亡の最大の原因を「遅すぎる治療」とし、今後5年間で早期発見および早期治療に関する措置を推進するとともに効果的な予防活動を実施することで死亡率を減らしていくと語った。(編集担当:柳川俊之)



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