[写真]=ムツ カワモリ

 3月19日、20日に開催されたリーガ・エスパニョーラ第29節で、日本への粋なメッセージが発信された。

 まずは19日のマドリード・ダービー。アウェーのレアル・マドリードが2-1で勝利を収めたこの一戦では、義援金を呼び掛けるボランティアのスタッフが「Espana con Japon〜スペイン、日本と共に〜」のメッセージが記されたTシャツを着用し、日本への支援をアピールした。

 さらに、この試合で終盤にリーグ戦12ゴール目をマークしたセルヒオ・アグエロは、着用スパイクをチャリティーオークションに出品し、その収益を東北地方太平洋沖地震の義援金にする意向を表明。震災直後から、ツイッター等を通じて日本へのエールを送り続けてきたアルゼンチンの若きエースが、日本の復興に一役買うことを宣言した。


                  [写真]=ムツ カワモリ

 そして翌20日、バレンシア対セビージャのゲームでは、バレンシアのメンバーが日本語(カタカナ)のネームを入れたユニフォーム姿でピッチに登場。「マテュー」、「マタ」、「ソルダード」、「ナバーロ」、「ジョナス」、「ティノ・コスタ」、「ホアキン」…粋な計らいで日本への想いを表現した。

 この計らいについて、バレンシアの日本語版公式サイトには、次のようなコメントが記されている。

「2004年のバレンシアの日本ツアーの時、チームは日本の国民に暖かく歓迎され、当時からバレンシアCFと日本の絆が強くなった」

「尊敬する日本の国民や大震災の犠牲者との連帯の気持ちを捧げるために、バレンシアCFの選手全員は背番号の名前がカタカナで書かれたユニフォームを着ていた」

 対戦相手のセビージャも、13日に行われたホームでのバルセロナ戦では、日本に向けてのメッセージが記されたバナーを用意。一方、震災から程なく「バルサは日本とともに」との声明を発表したバルセロナからはジョゼップ・グアルディオラ監督が先頭に立ち、「日本が立ち上がり、復興することを願っている。今回は巨大な不幸が彼らに訪れた。被災した人たちに、すべての愛情を送りたい。夏にアジアツアーを組めた際には、彼らの元を訪れられると確信している」というエールの言葉を残している。

 マドリード・ダービーで勝利を収めたレアル・マドリードも、12日のエルクレス戦でベルナベウのオーロラビジョンに「"El Real Madrid con,JAPON"〜レアル・マドリードは日本と共にいます〜」のメッセージを表示。さらに、スペインサッカー協会が主体となり、ユースからトップまで、すべてのカテゴリーで試合前の黙祷を実行しようとする動きが見られるなど、遠くスペインの地でも、日本を想う多くの人々が具体的な行動を起こしている。


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【浅野祐介@asasukeno】1976年生まれ。ストリートファッション誌の編集を5年。その後、『WORLD SOCCER KING』の副編集長を経て、『SOCCER KING(twitterアカウントはSoccerKingJP)』の編集長に就任。