タイの動物園00
動物保護に対する意識や考え方は、時代や文化によって大きく異なるため線引きが難しいテーマではありますが、人間側が気をつけてやらないと、すぐに絶滅に追い込んでしまうのは確かです。

タイのバンコクには、都会の真ん中のビルの上に動物園が設置してされており、動物の地獄であると批判されています。

 

バンコクにあるパタ動物園は、都会の混雑した道路に面した古いビルの上階2フロアを保有しており、そこに所狭しと200種類の動物がいます。

タイの動物園01

このゴリラは檻の鉄柱を握りしめて何時間も過ごすそうです。

タイの動物園02
7階には、ゴリラには狭すぎる10 x 15メートルの閉ざされたコンクリートの檻があるのですが、木の1本もなく、たった1個のタイヤと低い天井にあるだけなのです。

そこから10メートルも離れていないプールの横にはペンギンが1匹います。その小さすぎるプールには、かつて12匹ほどのペンギンがいたそうですが、この1匹だけが生き残ったそうです。

見世物用にするニシキヘビ、カメ、フラミンゴ、サル、ヒョウ、トラ、クマ、さらには何と、シェットランドポニーまでいます。下からは行きかう車の音が聞こえ、屋根からは隣の広告が見えるという環境です。

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野生保護基金のタイ責任者であるエドウィン・ウィエクさんは、この動物園をデパートの上の動物刑務所であると非難し、閉園させたいと考えを持っています。

動物たちにとって狭すぎ、日光もほとんど当たらず、不潔で悪臭もひどく、動物にストレスを与えるほど人間が近くにいる環境なのだと言います。200歩ほど歩くだけで50種類もの動物を見ることができる環境は、動物たちにとっての地獄だと、そうエドウィンさんは語っています。

他の東南アジアと同様に、タイも動物の保護問題を無数に抱えています。ゾウの使役や闘鶏などをはじめ、タイの首都では動物の密輸入が行われる世界の取引地点となっていることで知られています。つい先日もトラの赤ちゃんがぬいぐるみに紛れてスーツケースの中から出てきたことがニュースになっていました。

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しかしながら、この動物園の一番の問題は法を犯しているわけではなく、合法に行われていることにあると言います。

タイでは動物を飼育にスペースなどの規制はなく、動物保護法もあるとはいえ、非常に簡素でほとんど役に立っていないとエドウィンさんは主張しています。

虐待をすれば罰金が最高で1000バーツ(約2700円)だけというのは、もはやジョークのようだと批判しています。

一方の動物園の責任者によると、動物は十分な広さがあり健康であると通訳を通して伝えているようで、両者の意見には大きな隔たりがあるようです。

Department store zoo animals trapped in an urban jungle

らばQ【動物たちの地獄?バンコクのど真ん中にある動物園が批判される理由】より

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