今日W杯が始まった。

そう思った1日だった。


テレビは朝からどのチャンネルも「日本勝利!!」の大合唱。

駅に行けば、どのスポーツ新聞にも「本田」の文字。

ネットを見れば、ヤフーもミクシィもライブドアもモバゲーも
ニュースヘッドラインにはW杯関連の記事が並んでいる。

ブログもSNSもツイッターも掲示板も昨日の試合のことでもちきり。

会社の喫煙室で一服していたら「勝ちましたね、日本」と
自然と昨夜の試合についての会話が始まる。


これが楽しくてたまらない。


やっと、みんなが待っていたワールドカップの空気になってきた。

「1ケ月間仕事休みたい、学校休みたい」と本気で思う
あのワールドカップがやっと始まった。

そんな気分だ。


本来なら最初からこうなっているはずだった。
今まで(特に02年)はそうだった。「あと1ケ月」「あと1週間」と、
開幕前からあらゆるメディアが4年に1度の祭典を盛り上げていたんだ。


今回は違った。


「え? もう始まったんだっけ?」と言う女子。

「どうせ勝てないよ」と言う男子。


「ガンバレ日本」という言葉があまり聞こえてこない。


明らかに期待されてなかったし、注目もされていなかった。

多くの人が気にしない中、ワールドカップはいつの間にか始まり、
いつの間にか日本の初戦の日がやってきていた。

多くの「勝てないだろうなあ」と思っている人と、
何人かの「日本戦だからとりあえず見る」という人と、
少ししかいなかったかもしれない「絶対に勝つ」と信じる人、
思いは違えど、それでもみんなが試合を観た。


そして、日本は勝った。


先日の記事でも書いた、“もしかしたら”の望みを胸に応援した
国民の思いに見事応えた。


そして、みんな喜んだ。


国民の多くが注目していない、なんていうニュースがあった。
日本代表が期待されていない、なんていう報道があった。
負けたほうがいい、なんていう評論家もいた。


そんなムードの中、日本が勝ってみんなが喜んだ。


そりゃそうだ、彼らは日本代表なんだから。

文字通り、“日本”の“代表”なんだから。

そんなもん、勝ってほしいに決まってるんだから。


あの勝利で、そっぽを向いていたみんなが振り向いた。

結果を出せば世間の目は変わる。


「あまり興味ありません」と言っていた同僚の女性に
「次の試合はいつあるんですか?」と聞かれた。

「3敗でしょ」と言っていた同僚の男性が、
「次をもし引き分けたら〜〜」と勝ち点の計算をしていた。


空気は変わった。


今日、この結果から、W杯への注目度は何倍もでかくなるだろう。
日本国民の話題にやっと割り込むようになるだろう。


日本のワールドカップが、いま始まった。



それにしても日本代表の試合を観てこんなに嬉しくなったのは
何年ぶりだろう。

本当に、本当に、信じてよかった。


記事をブログで読む