ミランMFデイヴィッド・ベッカムは14日のキエーヴォ戦で、左アキレス腱を断裂し、同選手のシーズンは終わってしまった。ミランはこの勝利で首位インテルとの差を１ポイントに縮めたが、逆転スクデットに向けて喜びもおそらく、ベッカム負傷のニュースで吹き飛んでしまっただろう。

わずか数日前、オールド・トラフォードで古巣のファンから拍手を受けたベッカムにとっては、何とも不運な事故だ。レオナルド監督はマンチェスター・ユナイテッドとのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント１回戦セカンドレグで、彼をベンチスタートとした。大敗を喫し、ミランにとってはシーズン最悪の一日となった中、唯一笑っていたのが、観客から歓迎され、短い時間ながらポジティブなプレーを見せたベッカムだった。

だが昨日、スタメンに復帰したベッカムは、重傷でシーズンを終えるだけでなく、４大会連続出場となるはずだったワールドカップ（Ｗ杯）にも欠場することになった。ハッピーエンドは失われてしまったのだ。

イングランド代表のファビオ・カペッロ監督は「彼には早く治って欲しい。私はまだ待つよ」と、ベッカムへの扉を開いたままにしている。だが実際には、どうすることもできない。フィンランドでベッカムを手術する予定のオラバ医師は、「ボールを蹴って、プレーできるようになるまで、約３カ月が必要だ。ベストのパフォーマンスと最大限のキック、ジャンプをするには、さらにもう１カ月を要するだろう。軽い試合がやれるようになるまでに、３、４カ月が必要ということだ」と話している。

Ｗ杯が始まるのは６月11日。もう３カ月もない。ベッカムにとっては、あまりに短すぎるのだ。