ジョニー・デイモン、ジェイソン・ベイ、マット・ホリデーなど大物フリーエージェント選手の行き先が決まらない現状に、代理人たちが作戦を誤ったとするコラムをニューヨーク・デイリーニュースが12月19日付で掲載した。

 ヤンキースは3年契約や前年と同じ年俸(1300万ドル)を提示するつもりはないことを、最初からデイモンに伝えていた。これに対し、代理人のスコット・ボラス氏はそれ以下の数字を並べられても交渉に応じられないと答えたため、ヤンキースはなにも提示しなかった。

 今のところ、他球団からの提示もないようだ。ボラス氏がヤンキースに2年2000万ドルの要求を出したが、遅すぎた。ヤンキースは2番打者としてニック・ジョンソンと契約してしまった。

 このままで行くとデイモンはヤンキースが用意していたものと同じ条件で、格下の球団へ移籍せざるを得ないだろう。ワールドチャンピオンのヤンキースに残りたかったのなら、最終目標は残留だということを代理人に伝えておくべきだった。

 ジェイソン・ベイも、代理人のジョー・アーボン氏が高額を要求して、ポストシーズン常連のレッドソックスを去ることになった。シアトル・マリナーズがミルトン・ブラッドリーと契約した今となっては、外野手を必要としているメッツぐらいしか選択肢がなくなってしまった。

 レッドソックスの4年6000万ドルあまりを蹴ったベイに対して、メッツは4年6400万ドルを提示したといわれているが、アーボン氏は5年を要求しているようだ。つまり、ベイにはメッツに移籍するつもりがないということだ。

 ボラス氏はマット・ホリデーの代理人でもあり、6年契約、年1800万ドルから2000万ドルを要求しているが、今のところ、セントルイス・カージナルスが5年契約、年1600万ドル程度を提示しているだけだ。

 ヤンキースとレッドソックスという資金力のある2チームが入札に参加しなければ、選手の値段はつり上がらないということを、代理人たちもそろそろ気づいたのではないだろうか。