満月の夜は暴力的な患者が増加、豪病院看護師が月と急患の関係を調査。
![満月の夜は暴力的な患者が増加、豪病院看護師が月と急患の関係を調査。](https://image.news.livedoor.com/newsimage/f/7/f7cca_249_2009-12-15-121933-m.jpg)
豪紙ジ・オーストラリアンによると、調査はニューサウスウェールズ州ニューキャッスルにある病院とニューキャッスル大学の研究者らによって行われたもの。同病院では2008年8月から2009年7月までの1年間で、鎮静が必要なほど暴れた急患が91人いた。そこで、こうした患者に対応する看護師のレオニー・カルバーさんらが、月の暦と運ばれてきた人の人数の関係を調べたところ、満月の日に運ばれてきた暴力的な患者数は、全体の約4分の1となる21人(最多)であることが分かったという。
カルバーさんは、こうした結果から「急に暴力的な行動を起こす人は、満月のときに、より現れやすい」と結論。また、月が人間に直接影響があるかは分からないとしながらも、「人体には水分が70%含まれているので、月の引力が人間の脳に影響を与えるかもしれない」と推測している。
さらにもう1つの可能性として「満月の明るさで、一部の人が躁状態になり、睡眠に悩まされたかもしれない」とも。結果的にそうした状態がアルコールや薬に走らせ、暴力的な患者を増やすことに繋がっていると考えているようだ。
ちなみに、こうした医療従事者による「患者と月の関係」についての調査は以前から行われており、「nikkeibp.jp健康」2006年3月26日号に掲載された「満月の夜には人も凶暴になる!?」(http://www.nikkeibp.co.jp/archives/425/425347.html)にもたくさんの事例が紹介されている。
例えば「精神疾患による救急部門の受診者数」「自傷行為としての火傷による救急部門を訪れた患者数」「動物に噛まれて救急部門を訪れた患者数」「入院患者の転倒の頻度」などと、月の関係は……といった具合。その多くは「有意な関係を見いだせていない」との結果だったが、「甲状腺クリニックの予約状況と月の満ち欠けの関係」(オーストラリア)や「急性冠疾患による入院の頻度と月の満ち欠けの関係」(インド)、「消化管出血による入院」(スペイン)を調べた研究などでは、有意な結果を示していたという。