FIFAのゼップ・ブラッター会長が一週間前に宣言していたように、アルゼンチン代表のディエゴ・アルマンド・マラドーナ監督が規律処分審査にかけられることとなった。だが、報道陣に対する侮辱発言をスイスの面々がどう捉えるか、マラドーナ監督は気にしていない。彼はすでに、自分が最も気にする人の判断を仰いでいたのだ。その人物とは、同監督の母親である。マラドーナ監督は「私はすでに自分が間違っていたかどうか、母に聞いた。間違っているなら、謝罪する準備はあった。だが彼女は、私がOKだと答えたよ」と話している。

だが、UEFAのミシェル・プラティニ会長は22日、「私は長年に渡って彼と戦ってきたし、彼のことはよく知っている。彼は極端な人間なんだ。良い意味でも悪い意味でも、彼は極端なのさ。だが、彼の言葉がサッカー界のために良いものではないことは確かだ」と、マラドーナ監督の問題の記者会見を批判している。

試合終了直後の興奮状態ではなく、冷静になってからも、マラドーナ監督は後ろを振り返っていない。『カナル7』テレビのインタビューのなかで、同監督は次のように話している。

「私はすでにご婦人方には謝罪した。テレビでサッカーの仕事をしている人間に対してはしていない。あれは私の怒りの爆発だった。全員が気分を害しただろう。だが、私があれを言ったのは、子供たちが聞いていない時間帯だ」

「我々がワールドカップ(W杯)予選を突破していなければ、私はハイチに移り住まなければいけないか、あるいは射殺されていただろう。私はアルゼンチン代表のためにすべてを尽くした。選手としても、指揮官としてもね。今の私の人生は、アルゼンチン代表なんだ。私はもう5年か、それ以上前から、ドラッグもやっていないし、クラブにも行っていない」

FIFAから処分の決定を待つ一方で、マラドーナ監督はW杯に向けてプランを計画していくことにあんる。彼は予選で多くの選手を変更し、多くの招集メンバーによるグループをつくった。同監督はメンバーについて、「セバスチャン・ベロンからリオネル・メッシ、ハビエル・マスチェラーノ、ガブリエル・エインセまで、多くの選手たちと話をしなければいけない。だが、W杯に向けて準備できるといことを、全員が私に示さなければならない」とコメントした。

また、マラドーナ監督は決定を下しているのが自分であることも強調している。予選最終節のウルグアイ戦後、アルゼンチンでは戦術を変更したのはカルロス・ビラルド元監督だとの声も上がったが、マラドーナ監督は苛立ちながら次のように答え、ビラルド氏との関係に問題があることをうかがわせている。

「ビラルドは監督よりもマネージャーだ。彼が主に従事しなければいけないのは、グロンドーナ(サッカー連盟)会長との関係だよ。変更を決めたのは私だ。せいぜい、アシスタントたちと話をしたというだけで、ビラルドとは話していない」