アメリカMLSのロサンゼルス・ギャラクシーへの移籍が決まっているデイビッド・ベッカムが、改めて今シーズン終了後のレアル・マドリー退団を明言した。

　一部報道では、ベッカムがLAギャラクシーと結んだ契約には、レアル残留を優先する条項が含まれており、レアルのラモン・カルデロン会長がこの条項の行使を望んでいると伝えられていた。しかしベッカムは、記者会見でこの噂を完全否定。スペインを離れる寂しさを語りながらも、アメリカでの挑戦に胸を躍らせていると語った。

「日曜日はレアルでプレーする最後の試合だ。ギャラクシーと結んだ契約に、噂されているような条項はないよ。会長とは何の話もしていないしね。レアル・マドリーの選手として4年間プレーしたけど、本当に素晴らしい時間を過ごすことができた。でも、アメリカでのプレーこそ、いま僕が望んでいることなんだ。自分の決断には満足しているよ。」

　一方、今年1月の時点で契約更新の意思がないと伝えながら、シーズン終盤の活躍で手のひらを返したように残留を望むレアルに、わずかながら不信感を示したベッカム。しかし、いまだスペインで優勝を経験していない32歳は、置き土産にリーグ優勝を勝ち取りたいと語る。

「半年前の段階で、契約の更新はしないと伝えられた。その時点で、僕は自分のキャリアについて決断を下さなければならなかった。レアルのようなクラブを去るのは簡単な決断じゃない。でも、自分の将来は明るいと信じているよ。本当のことを言えば、あと3年くらいはレアルでプレーできたはずだと思う。それでも、会長やファビオ・カペッロ監督には敬意を払っている。とくにカペッロは、世界でも有数の監督だ。いずれにしても、リーグはまだ終わっていない。僕は4年間でひとつもタイトルを手にしていない。その歴史を最後に変えたいね。ファンのためにも、最後にリーグ優勝を手にしたい」

　リーガ・エスパニョーラの行方をかけた最終節でレアルのユニホームを脱ぐベッカム。自らのキャリアに対する迷いを断ち切った男は、その右足で有終の美を飾ることが出来るだろうか。