ゴンサロ・イグアイン(レアル・マドリー)がフランス代表入りを正式に断った。マドリード入りしていたフランス代表のレイモン・ドメネク監督が26日、説得が失敗に終わったことを明らかにした。フィガロ紙などが報じている。

 イグアインはフランスのブレスト生まれ。両親はアルゼンチン人で、父親はサッカー選手としてブレストでプレーしていた。その後、一家はアルゼンチンに戻り、イグアインはフランス国籍をもちながら、その言葉も文化も知らぬまま育った。アルゼンチンの法律によると、両親がアルゼンチン人で外国生まれの場合、出生地の国籍を保持したままアルゼンチン国籍を取得することができる。

 イグアインは先ごろアルゼンチン国籍を正式に申請したと報じられる。レアルに所属し、今後も欧州でプレーを続けることになるイグアインにとって、EU圏外選手扱いにならないフランス国籍は必要。法的に二重国籍が認められるため、あとは「心」の問題となる。

 イグアインは今回ドメネク監督と会い、「自分は心からアルゼンチン人であると感じている」と伝えた。最後まで説得を試みたドメネク監督も「彼の決定を覆すことはできない」と判断し、イグアインのフランス代表入りを最終的にあきらめた。

 「アルゼンチンが彼を招集しなかった場合は?」との質問にも、「もしアルゼンチンが彼をとらないなら、我々にもとる理由はないということだ」とキッパリ。「フランスにも彼と同レベルの選手はおり、注目している」と語るなど、ユーロ2008の予選(3月24日、対リトアリア戦)に向けて、早く気持ちを切り替えたい様子が窺えた。