8日、母・重信房子被告の裁判について語るメイさん(撮影:徳永裕介)

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元日本赤軍最高幹部の重信房子被告(60)の娘で、ジャーナリストの重信メイさん(33)が8日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で会見し、1974年9月に起きたオランダ・ハーグの仏大使館占拠事件の母親の裁判について語った。
 
 ハーグ事件については、東京地裁が2月23日、殺人未遂、逮捕・監禁などの罪に問われた房子被告に対して、懲役20年(求刑・無期懲役)の判決を言い渡した。

 メイさんは「懲役20年という刑は、政治的なもの」とし、「この刑は、母個人というより、日本における反体制活動が活発だった時代や、パレスチナ問題も含めた当時の思想に対するものととらえている」と語った。

 東京地裁の判決について、同席した大谷恭子弁護士は「いつ、どこで、どのように共謀したのかということを一切不明としながらも、『実行犯と、なんらかの連絡は取りあっていたはずである』と、非常にあいまいな事実認定で、有罪にした」と批判。メイさんも、「“民主国家日本”で証拠もなく断罪されたことは、公正を欠いている」と訴えた。

 大谷弁護士によると、事件はPFLP(パレスチナ解放人民戦線)の軍事作戦によるもので、「当時、房子さんはPFLPで、ボランティアとして新聞を作っていた。PFLPは軍事と合法活動を厳格に分けており、房子さんは合法活動に従事していたので、事件に一切関わっていない」という。会見では、法廷でPFLPからの証人が「房子さんは、一切事件に関わっていない」と証言したことも紹介された。

 東京地裁の判決に関しては、房子被告、検察ともに不服として、すでに上訴している。【了】